会社設立の後に行いたい作業の1つに、お世話になった人への挨拶メールの送付が挙げられます。
会社設立や開業における義務ではないものの、スムーズな会社運営につながる大切な行為です。
これまでお世話になった人へ漏れなく送りましょう。
また、会社設立の挨拶メールをと送る上で守るべきポイントも存在します。
失礼のない挨拶メールを作成・送付するためにも、挨拶メールのルールやマナーにきちんと則ることも大切です。
今回は会社設立の挨拶メールで押さえたいポイントと、メールの文例について紹介します。
会社設立後にやるべきその他の作業については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
CONTENTS
会社設立の挨拶メールで押さえたいポイント
はじめに、会社設立の挨拶メールで押さえたいポイントを4つ紹介します。
これまでお世話になった人に漏れなく送る
会社設立の挨拶メールは、これまでお世話になった取引先や事業主に漏れなく送りましょう。
過去にお世話になったにもかかわらず挨拶メールを送らないのは、非常に失礼な行為です。
会社設立の挨拶メールを必ず送るべき相手として、以下の具体例が挙げられます。
- ・前職の取引先の担当者
- ・すでに確保しているクライアント
- ・将来的に取引先になりそうな会社、事業者
- ・過去に在籍していた会社の上司や同僚
- ・開業をサポートしてくれた関係者
- ・プライベートの友人
- ・親族
仕事と直接関係のある人に限らず、友人や親族のようにプライベートでお世話になっている人にもメールを送るのが良いでしょう。
メールに書くべき内容を押さえる
会社設立の挨拶メールには記載するべき事項が多数あります。
書くべき内容を事前に押さえておくことで、メール作成をスムーズに進められるでしょう。
記載事項の不足や漏れを防げるため、必要な情報をしっかり伝えられる点もメリットです。
会社設立の挨拶メールに書くべき内容として以下の6つが挙げられます。
独立開業の挨拶
独立開業・会社設立の旨を報告する一文です。
会社設立の経緯や状況
「◯◯(前職の社名)を円満退社し〜」「◯◯で培った知識・経験を活かし〜」「友人と会社を立ち上げ〜」等、会社設立の経緯や状況の簡単な説明もしましょう。
あまり詳しく書くと冗長な印象になってしまうため、1〜2文程度に抑えることをおすすめします。
会社情報
会社情報として、社名・代表者名・開業日・会社住所・電話番号は必須です。
設立する会社の事業内容
「会社設立の経緯や状況」と同様、事業内容も簡単な説明に抑えます。
これまでの感謝の気持ち
会社設立の挨拶メールで最も重要といえる項目です。
今後の変わらない付き合いのお願い
「今後とも変わらぬご支援を〜」「何卒ご指導ご鞭撻のほど〜」等の表現を用います。
また、可能であれば会社のホームページのアドレスや会社案内のPDFファイルも送るのが理想です。
ただし、ホームページや会社案内の完成・公開が開業の直前になる場合、メールへの記載は省略しても大丈夫です。
ホームページや会社案内が完成してから挨拶メールを送るよりも、開業まで余裕があるタイミングでメールを送る方を優先しましょう。
開業の1ヶ月前までには送る
会社設立の挨拶メールは、開業の1ヶ月前までには送るのが理想です。
遅くても開業の2週間前までには送りましょう。
開業まで間もないタイミングでメールを送ってしまうと、相手を驚かせてしまったり、予定の調整に無理を強いてしまう恐れがあります。
早めに知らせることで、相手はお祝いの準備をする余裕ができます。
メールを送るのが早すぎて問題になることは特にありません。
開業の1ヶ月前までとはあくまで目安の1つです。
開業の日が決まり次第メールを送ることをおすすめします。
後日に別途挨拶状も送るのが理想
相手によっては、会社設立の挨拶をメールだけで済ませるのは手抜き・非常識と思われてしまうケースがあります。
そのため、先に挨拶メールを送り、後日改めて挨拶状を送るのが理想です。
元取引先や設立する会社の関係者等には、メールとは別に挨拶状も送るべきとされています。
仕事と直接関係のない親族であっても、ご年配の方であれば挨拶状の方が良い場合もあります。
メールを送った後に改めて挨拶状を送る行為が失礼にあたることはありません。
礼儀作法が気になる・挨拶状を送るべきか悩むといった場合は、挨拶状も送るのが安心です。
書面での挨拶状は、元同僚や友人といった親しい間柄であれば省略しても良いでしょう。
ただし、前述のように挨拶状を送って失礼になることはありません。
挨拶状を送る相手の判断に悩んだり送らなくて良い相手を判断できないという場合は、挨拶状も全員に送るという選択肢がおすすめです。
会社設立の挨拶メール 文例
会社設立の挨拶メールの文例を3つ紹介します。
文章の内容やボリュームとのバランスを考慮しつつ、文例の内容に加え、冒頭に季節の挨拶や先方を気遣う一文を入れるのが理想です。
文例①
件名:会社設立のご挨拶
株式会社××
××様
株式会社●●でお世話になっておりました○○でございます。
私事ではございますが、この度株式会社●●を円満退社し、株式会社○○を設立する運びとなりました。
会社名や開業日など、会社の基本情報は以下の通りでございます。
会社名:株式会社○○
代表者名:◯◯
事業内容:○○
開業日:◯◯年◯月◯日
会社住所:◯◯
電話番号:◯◯
これもひとえに、××様をはじめ皆様の温かい支援の賜物であると、心より感謝申し上げます。
株式会社●●在職中に培った知識と経験を活かし、○○業界における新たな価値の創出に尽力していく所存です。
今後とも変わらぬご指導・ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願いいたします。
まずは略儀ながら、メールをもって会社設立のご挨拶を申し上げます。
――――――――――――
株式会社◯◯
代表取締役 ◯◯
◯◯@〜〜〜(設立する会社で使うメールアドレスや電話番号を載せる)
――――――――――――
会社設立の挨拶メールの基本的な文例といえるでしょう。
相手を問わず誰にでも使える内容です。
文例②
件名:会社設立のご挨拶
株式会社××
××様
株式会社●●でお世話になっておりました、○○でございます。
在職中は並々ならぬご厚誼を賜りましたこと、心より感謝を申し上げます。
私事ではございますが、この度株式会社●●を円満退社し、○○を専門とする株式会社○○を設立する運びとなりました。
株式会社●●在職中に培った知識を活かし、○○を手掛けていく所存です。
これまで同様、変わらぬご指導・ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
まずは略儀ながらメールをもってご挨拶とさせていただきます。
――――――――――――
株式会社◯◯
代表取締役社長 ◯◯
〒◯◯◯
◯◯県◯◯市◯◯〜
TEL:◯◯
MAIL:◯◯@〜〜〜
――――――――――――
会社情報のうち住所・電話番号は本文中に記載はせず、署名部分の記載のみで省略する書き方です。
文例③
件名:会社設立のご挨拶
株式会社××
××様
平素より大変お世話になっております。
株式会社●●に在籍しておりました○○でございます。
私事ではございますが、この度株式会社●●を円満退社し、株式会社○○を設立する運びとなりました。
株式会社●●在職中に培った知識を活かし、○○を中心とした事業展開を進めます。
長い間ご指導いただいた○○様はじめ皆様のご支援のおかげと心より感謝しております。
会社のWebサイトを立ち上げましたので、ご覧いただけますと幸いです。
https://○○~
今後とも変わらないご指導ご協力のほどをよろしくお願いいたします。
略儀ながらメールをもって会社設立のご挨拶を申し上げます。
――――――――――――
株式会社◯◯
代表取締役社長 ◯◯
〒◯◯◯
◯◯県◯◯市◯◯〜
TEL:◯◯
MAIL:◯◯@〜〜〜
――――――――――――
すでに会社のホームページができている場合、本文中にわかりやすく記載すると親切です。
まとめ
会社設立の挨拶メールの作成・送付は、開業までに必ず行うべきことの1つです。
これまでお世話になった人へお礼の気持ちを伝え、設立する会社について伝える重要な機会となります。
ルールやマナーを守り、失礼のないメールを作成することが大切です。
今回メールの文例を3つ紹介しましたが、最適な文面は自身の状況や相手との関係性などによって異なります。
今回紹介した内容を参考にしつつ、必要に応じてアレンジを加え、より良いメールを作成しましょう。
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記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士