「設立」「創立」「創業」の違いとは?間違えやすい類義語の意味を解説!

2024.05.08

「設立」「創立」「創業」、会社や事業の開始に関連する言葉には様々なものがあります。

これらの言葉は似たような意味合い・イメージのため、あまり区別せずに使われる場面も多いです。

しかし実は、それぞれ全く異なる意味を持つ単語です。

誤った使い方をなくすため、違いをしっかり押さえる必要があります。

 

今回は「設立」「創立」「創業」の違いについて詳しく解説します。

 

「設立」については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

 

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CONTENTS

「設立」「創立」「創業」の違い

「設立」「創立」「創業」の違いを紹介します。

「設立」「創立」「創業」それぞれの定義

はじめに「設立」「創立」「創業」それぞれの定義を紹介します。

設立

「設立」は、法的な手続きに基づいて新しく作り設けることです。

会社の場合、法律で定められた手続きに沿って法人を登記することを意味します。

創立

「創立」は、組織や機関を立ち上げて事業を開始することを意味する言葉です。

創立は法的な手続きの有無を問いません。組織を立ち上げて事業を開始した場合、法人格がなくても「創立」と表現できます。

組合や団体のような、法人格を持たない組織の設立・事業開始にも用いられます。

個人事業主のような組織を持たない事業者や、法人格を持つ企業では「創立」という言葉を使いません。

創業

「創業」は、事業を開始することを意味する言葉です。個人・組織どちらの形態であるかは問いません。

具体的にどのタイミングを「創業」と呼ぶかは解釈によります。

あくまで一例ですが、オフィス賃貸や事業計画の作成など、開業準備の開始時点を創業と指すケースが多いです。

「設立」「創立」「創業」の時系列

「設立」「創立」「創業」の一般的な時系列は、創業→創立→設立 の順です。

 

前述のように、創業は組織の有無は関係なく、事業活動の開始を意味する言葉です。

つまり個人事業主としての事業活動開始も創業に該当します。

個人事業主として「創業」し、共に活動する人が集まり組織を「創立」、その後会社を「設立」という流れになるのです。

 

ただし、会社設立が完了するまで事業を開始しない場合、創立・設立が同時で、その後に創業となります。

このように創業が最後になるケースもありえるため、時系列は事業者によって異なるといいえるでしょう。

「設立」「創立」「創業」の使い分け

「設立」「創立」「創業」はそれぞれ異なる意味を持つため、使う場面にも違いがみられます。

「設立」「創立」「創業」の使い分けについて解説します。

「設立」を使う場面

「設立」という言葉を使うのは、新たに会社を立ち上げる場面です。

法律上も所定の手続きに沿って会社を立ち上げることについて「設立」という言葉を使っています。

「創立」を使う場面

「創立」は組織の成立や、組織の歴史をアピールする場面で多く用いられる言葉です。

法人格のない組織としての期間が長い場合、「創立」がアピールポイントになります。

「創業」を使う場面

「創業」は事業としての歴史をアピールする場面で用いることが多いです。

前述のように「設立」「創立」「創業」を時系列で並べると、「創業」が最初に来るケースが多くみられます。

事業としての歴史を強調するのであれば、最も早く起こる「創業」のアピールが有用といえます。

その他類義語の例

「設立」「創立」「創業」以外にも、事業や会社の開始を意味する言葉は複数存在します。

ここではその他の類義語について定義や使う場面を紹介します。

独立

「独立」は、それまで勤めていた会社を退職し同じ環境の中で新たに事業を始める際に用いられる言葉です。

「独立」とそれ以外の言葉の大きな違いとして、事業開始前にいた環境が挙げられます。

まったく別の分野に挑戦する場合や、学生のように働いていない人が事業を始める場合は「独立」という言葉を使いません。

また、会社勤めを続けながら副業として事業を開始する場合も、「独立」と表現しないのが一般的です。

起業

「起業」は、事業を起こすことを意味する言葉です。

創業と似ていますが、創業は事業の開始時期を意味する言葉であるのに対し、起業は事業開始の意思を伝える意味が強いです。

また起業は「会社を退職して起業予定です」「先月起業しました」のように過去・未来を問わず使える言葉です。

一方で創業は「今後創業予定です」のような、未来を語る場面で使うことはほとんどありません。

開業

「開業」は、事業を開始するときに使う言葉で「起業」と似た意味を持ちます。

「開業」はお店のオープンやサービスの提供開始などのタイミングで使われるケースが多くみられます。

前述した「創業」は事業活動の開始を、「開業」は商品やサービスの提供開始を強調する意味合いが強いといえるでしょう。

また、開業は会社にも使える言葉ですが、一般的には個人事業主を対象とします。

会社で特に重要なのは「設立」

これまで「設立」「創立」「創業」をはじめとした類義語を複数紹介しましたが、会社にとって特に重要なのは「設立」です。

「設立」が重要な意味を持つ理由について解説します。

設立によって社会的な意義を持つ

会社にとって最も重要なのが「設立」である理由は、会社は設立によって社会的な意義を持つためです。

 

創業や創立は会社という形態でなくても可能です。また、法的な手続きの有無も問いません。

一方、「設立」は会社としての成立を意味する言葉であり、設立するには法的な手続きを行う必要もあります。

また、設立が完了した日である「会社設立日」は登記事項証明書に記載される上、設立初年度の法人住民税の計算時にも用いられる情報です。

 

会社として「設立」しなければ、法的には会社が存在しないのと同じ状態になります。

会社として活動をする以上「設立」が必須であり、「創立」「創業」よりも重要な意味を持つのです。

「設立」からの経過年数をアピールする場面は多くない

設立は会社にとって重要な意味を持ちますが。周年祝いのような場面で設立日の情報が用いられるケースはあまり多くありません。

組織の成立や事業の歴史等、対外的なアピールでは「創業」「創立」の方が多く用いられます。

会社設立の流れ

これまで紹介したように、「創業」「創立」に法的な手続きは必要ありません。

一方で「設立」は法律で定められた所定の手続きを行い、法務局で登記申請を行う必要があります。

ここでは会社を「設立」するまでの大まかな流れを紹介します。

 

  • 1.会社の基本情報を決める
  • はじめに会社名・会社の住所・事業目的・資本金の額など、会社概要を決める必要があります。
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  • 2.法人用の印鑑を作成する
  • 会社概要が決まった段階で法人用の印鑑を発注するのが一般的です。
  •  
  • 3.定款を作成する
  • 定款とは会社運営のルールをまとめたもので、会社の憲法ともいわれます。
  • 会社を設立するには定款の作成が必須です。
  •  
  • 4.定款認証を受ける
  • 設立するのが株式会社の場合、公証役場で定款認証を受ける必要があります。
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  • 5.資本金の払い込みをする
  • 資本金の払い込みは定款認証の後に行うのが一般的ですが、定款認証の前でも問題ありません。
  • 会社設立前の段階では会社名義の口座がないため、発起人の個人口座に振り込むのが一般的です。
  •  
  • 6.法務局で登記申請を行う
  • 本店所在地の管轄法務局へ登記申請をします。
  • 書類に不備や漏れがあると修正の必要が生じるため、申請前に必ず確認しましょう。
  • 不備がなければ申請から1週間~10日程度で登記完了となります。

会社設立の流れは以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

 

まとめ

「設立」「創立」「創業」は似たようなイメージではありますが、それぞれ異なる意味を持つため、正しく使い分ける必要があります。

会社にとって特に重要な意味を持つのが「設立」です。会社の設立手続きが完了することで、法的に存在を認められます。

ただし、周年記念や歴史の紹介など、対外的なアピールでは「創業」「創立」の方が多く使われます。

このようにアピールしたい要素や使用する場面によってどの言葉が適しているかは異なります。

 

場面に合う適切な言葉を使うため、それぞれの違いをしっかり押さえましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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