会社設立に必要な人数は?一人でも可能?条件や注意点について解説!

2023.11.25

取締役会を設置しない株式譲渡制限会社(非公開会社)であれば、発起人1人での会社設立が可能です。

一方で、公開会社は取締役会の設置が必要であり、設立時に最低4人必要となります。

会社設立に必要な人数はケースによって異なるため、これから設立する会社がどの条件に当てはまるか確認が必要です。

 

また、条件を満たせば1人でも会社設立ができるとはいえ、会社設立を1人で行うデメリットも存在します。

会社設立を1人で行うべきか、注意点を押さえた上で判断が必要です。

 

今回は会社設立に必要な人数を決める条件や、会社設立時の人数に関する注意点を解説します。

※今回は株式会社の設立に絞って解説します。

 

以下の記事で役員構成について詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

 

CONTENTS

会社設立に必要な人数

会社設立に必要な人数について詳しく解説します。

会社設立は発起人1人でも可能

結論として、会社設立は発起人1人でも可能です。すなわち会社設立に必要な人数は最低1人となります。

 

そもそも発起人とは、株式会社の設立に際して出資(資本金の拠出)および会社設立の各種手続きを行う人を意味します。

発起人の主な役割は以下の通りです。

  • ・出資
  • ・会社概要の決定
  • ・定款の作成および認証
  • ・設立時取締役の選任
  • ・設立時発行株式の引き受け

現行の会社法において、発起人の最低人数について定めはありません。発起人の人数は自由に設定できます。

また、会社設立時における取締役会の設置は義務付けられておらず、発起人と設立時の取締役が同じでも問題ありません。

そのため、発起人がそのまま設立時取締役として就任すれば、発起人1人での会社設立も可能となります。

発起人と取締役の違い

取締役とは会社運営における重要事項の意思決定や業務執行を行う役員です。

会社法において、取締役は会社経営の決定権を有する役員であると定められています。

 

前項で紹介したように、発起人は株式会社の設立に際して出資(資本金の拠出)および会社設立の各種手続きを行う人のことです。

会社に対して出資を行うため、会社設立後は自動的に株主となります。

株式会社の意思決定権は株主が保有するため、発起人は設立後に会社の意思決定権を持つ存在になるともいえるでしょう。

 

一方、取締役は設立した会社の運営を行う経営者であり、株主の意思決定に応じて会社運営を進めます。

取締役が意思決定権を持つわけではありません。

 

このように発起人と取締役は異なる役割を持ちますが、中小規模の会社では発起人と取締役が同一のケースが多くみられます。

発起人と取締役を別にする場合は、会社設立時に最低2人が必要です。

取締役会設置会社では4人以上が必要

最初に少し触れましたが、1人で設立できるのは取締役会を設置しない株式譲渡制限会社(非公開会社)のみです。

株式譲渡制限会社とは、株式の譲渡制限の規定を定款で定めている会社を意味します。

すなわち会社設立時に作成する定款で株式の譲渡制限の規定を定めた会社のみ、1人での設立が可能です。

 

定款に株式の譲渡制限について記載がない会社(公開会社)は取締役会の設置が義務付けられています。

取締役会には取締役が3人は必要であり、かつ、取締役会設置会社は会計参与もしくは監査役の設置も必要です。

そのため、取締役会を設置する会社の場合、設立時に最低4人が必要となります。

【参考】非公開会社と非上場会社の違い

前項で紹介したように、株式譲渡制限会社は非公開会社と呼ばれます。

非公開会社は非上場会社と同じ意味合いで使われるケースも多くみられますが、非公開会社であるかの判断基準は株式の譲渡制限の有無です。

上場有無ではありませんのでご注意ください。

非上場会社であっても、定款で株式の譲渡制限を定めていなければ公開会社に該当します。

 

ただし、非上場会社が株式を公開するメリットは特にないため、実際のところ非公開会社のほとんどは非上場会社でもあります。

非公開会社=非上場会社というイメージが広まっているのは、非公開会社の多くが非上場会社にも該当するのが理由といえるでしょう。

【参考】会計参与・監査役とは

取締役会設置会社は会計参与もしくは監査役の設置も必要と紹介しました。

会計参与および監査役の意味を解説します。

 

会計参与とは、取締役や執行役と共に貸借対照表など計算書類の作成や保管、関係者への開示・説明を行う役員です。

会計参与に就任できるのは以下のいずれかに該当する個人または法人のみとなります。

  • ・公認会計士
  • ・税理士
  • ・監査法人
  • ・税理士法人

 

監査役は、会社の活動や取締役による会社経営が適正に行われているかを監督する役割を持つ役員です。

監査役が行う監査は以下の2種類に大別できます。

  • 会計監査:計算書類の内容に不備や不正がないかをチェックします。
  • 業務監査:業務執行が適切に行われているかの監査です。

【参考】1人で設立できる会社形態

現行制度において、設立できる会社形態は全部で4種類存在します。

  • ・株式会社
  • ・合同会社
  • ・合名会社
  • ・合資会社

このうち1人で設立できるのは、今回取り上げている株式会社と、合同会社・合名会社の計3種類です。

合資会社は有限責任社員と無限責任社員がそれぞれ最低1人ずつ必要なため、設立時に最低2人以上が必要になります。

会社設立時の人数を1人にする際の注意点

会社設立時の人数を1人にする大きなメリットとして、以下の3つが挙げられます。

  • ・意思決定のスピード感や柔軟性が高い
  • ・株式の譲渡制限により第三者に自社の株式が渡るのを防げる
  • ・役員が自分1人のため役員報酬の負担を抑えられる

このようなメリットから、特に個人事業主の法人成りでは1人で会社設立を行うケースが多いです。

 

一方で、会社設立時の人数が1人の場合に起こるデメリットも存在します。

特に将来的には事業規模の拡大を検討している人や、作業量がかなり多いと見込まれる人は注意が必要です。

 

この章では、会社設立時の人数を1人にする際の注意点を2つ紹介します。

社会的信用度が低くなる

設立時の人数が1人の会社は、複数人で設立された会社に比べて社会的信用度が低くなります

 

前提として、1人会社でも個人事業主より法人の方が社会的信用度を得やすいといえます。

設立時の人数が1人になってしまう場合でも、早く事業拡大をしたい場合には法人成りを進めても良いでしょう。

 

ただし、会社に所属しているのが1人だけの場合、役員や従業員が複数人いる会社よりは信用度を得にくいのも事実です。

そのため、新規契約や取引の獲得、資金調達といった社会的信用が必要な場面で不利になる可能性があります。

 

なお、設立時の人数が1人でも、その後役員や従業員を増やしていけば十分に信用を獲得できると期待できます。

まずは自分1人で会社設立を行い、準備ができ次第少しずつ人数を増やしていくのも1つの手段です。

手続きや作業をすべて自分1人で行う必要がある

会社設立を1人で行う場合、当然ですが会社設立および設立後の手続きや作業をすべて自分1人で行う必要があります。

 

会社設立時および設立後は、以下のようにやるべきことが非常にたくさんあります。

 

【会社設立時】

  • ・会社概要の決定
  • ・定款の作成および認証
  • ・資本金の払込
  • ・会社設立に必要な各種書類の用意
  • ・法務局での登記申請

【会社設立後】

  • ・税務署への届出
  • ・都道府県税事務所や市町村役場への届出
  • ・社会保険の加入手続き
  • ・法人口座の開設や法人用クレジットカードの作成

このほかにも、業務に必要な備品や消耗品の用意、ツール・ソフトの導入等も必要です。

手続きや作業の量が膨大なため、会社設立前後は本業のために割ける時間が少なくなってしまうでしょう。

 

また、出資者も自分のみのため資金調達の負担が大きい点にも注意が必要です。

ほかにも会社に所属するのが自分1人だけの場合、以下のようなデメリットがあります。

  • ・設立後の経営や事業展開について誰かと意見交換ができない
  • ・作業量に限界があるため大きな売上を出すのは難しく、事業拡大がしにくい

まとめ

会社設立に必要な人数は最低1人です。

取締役会を設置しない株式譲渡制限会社で、発起人と設立後取締役が同じであれば、設立時に必要な人数は1人となります。

株式の譲渡制限をしない公開会社は取締役会の設置が必要なため、取締役3人および会計参与または監査役1人の計4人が必要です。

 

会社設立を1人で行うことで様々なメリットを得られます。

一方で、社会的信用を得にくかったり、自分1人ですべての手続きや作業を行わなければならないといった注意点も存在します。

メリットだけでなく注意点も考慮した上で、会社設立時の人数を決めることが大切です。


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吉岡 伸晃
吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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