今更聞けない会社名の英語表記ルールとは?種類と意味、注意点について解説!

2024.03.22

近年はグローバル化が進み、会社名の英語表記を定める会社も増えています。

会社名の英語表記は定款や公式サイトへの記載はできますが、商号すべてを英語にはできず、登記の際に英語表記を併記することも不可能です。

 

会社名の英語表記には複数の種類があり、それぞれ異なる意味を持つため、意味を確認した上で正しい表記を用いる必要があります。

また、単純に英語変換やローマ字表記にすれば良いとは限りません。

現地で一般的な言葉を使う等、海外との取引のしやすさを考慮する必要があります。

商号はもちろん英語表記も頻繁に変えるのは好ましくないため、適切な名前・表記を決めるには十分な検討が必要不可欠です。

 

今回は会社名の英語表記について詳しく解説します。

 

会社名の決め方は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

 

CONTENTS

会社名の英語表記 登記・定款に関するルール

はじめに会社名の英語表記について、登記・定款に関するルールを紹介します。

商号すべてを英語にはできない

法人登記の際、商号すべてを英語にはできません

商号には「株式会社」「合同会社」等の会社の種類を入れる必要があるためです。

登記事項証明書に記載される名前も会社の種類が漢字表記されたものになります。

また、登記の際に英語表記を併記することも認められません。

定款への併記は可能

前述のように英語表記を登記の際に併記することはできませんが、定款への併記は可能です。

たとえば「株式会社ABC○○と称し、英文では、ABC○○ Co., Ltd.と表示する。」等の書き方ができます。

 

なお、定款の変更そのものには費用がかかりません。商号の英語表記の追加のみであれば変更登記の手続きも不要です。

また、会社設立後の定款変更には公証人による認証も必要ありません。

定款への英文商号の追加にはコストや手間がほとんどかからないといえるでしょう。

アルファベットと日本語の併用は可能

会社名の中にアルファベットと日本語の両方を使うことも可能です。

アルファベットと日本語を併用した例として、ABC商事株式会社、合同会社XY商店、などが挙げられます。

会社名への使用が認められている文字であればどのような組み合わせでも問題ありません。

会社の種類さえ入っていれば、それ以外の部分は英語にもできます。

 

なお、会社名に使用できる文字は全部で以下の6種類です。

 

  • 漢字
  •  
  • ひらがな
  •  
  • カタカナ
  •  
  • アルファベット
  • 大文字・小文字どちらも利用できます。
  • なおアルファベットで複数の単語を表記する場合、単語を区切る目的でスペースの挿入も可能です。
  •  
  • アラビア数字
  •  
  • 一部の符号
  • 使用できる符号は以下の6つに限定されています。
  •  中黒(・)
  •  アンド(&)
  •  カンマ(,)
  •  ピリオド(.)
  •  ハイフン(−)
  •  アポストロフィ(’)
  • 符号は字句を区切る目的で使用するもので、先頭および末尾(ピリオド除く)の使用はできません。

会社名の英語表記 種類ごとの意味

会社名の英語表記について種類ごとの意味を紹介します。

Co., Ltd.

Co., Ltd.は「Company Limited」を略した表記で「カンパニーリミテッド」もしくは「コーリミテッド」と読みます。

Limitedが有限責任を意味する単語であり、Company Limitedは有限責任の会社に対して使える表記です。

有限会社から株式会社まで幅広く使用できるため、多くの会社の英語表記で用いられています。

 

日本を含め公用語が英語ではない国では「Co., Ltd.」のように、間に「,(カンマ)」を入れることが多いです。

しかし英語表記のルール上、間のカンマは本来必要ありません。

そのため一般的にはカンマの入っていない「Co. Ltd.」と表記されます。

アメリカやイギリスのような英語圏の国では、多くの場合にカンマを入れない表記が用いられます。

近年新たに株式会社となった日本の会社でも、英語表記の際に間にカンマを入れない「Co. Ltd.」を用いるケースが増えています。

 

なお「.(ピリオド)」は絶対に必要です。

「Co., Ltd.」「Co. Ltd.」に用いられているピリオドは省略を意味する記号のため、省くのは完全に誤りとなります。

Ltd.

Ltd.は「Limited」を略した表記で「リミテッド」と読みます。「Co., Ltd.」と同じく有限責任の会社を意味する表記です。

イギリスでは会社が有限責任である旨を明記する必要があるため、会社名の後ろに「Ltd.」をつけるのが一般的です。

アメリカでも使用されますが、アメリカの会社全般というよりは、比較的小規模の会社に使われる傾向があります。

 

日本では銀行名の英語表記で使われるケースが多いです。「〇〇 Bank, Ltd.」 や「Bank of 〇〇, Ltd.」のような表記の仕方が挙げられます。

Inc.

Inc.は「Incorporated」の略で「インコーポレイテッド」または「インク」と読みます。

アメリカで多く用いられている表記の1つです。

Incorporatedは「法人組織の」という意味を持ち、法人化の手続きが済んでいることを表します。

有限責任・無限責任どちらであるかの意味合いは含まれていません。

Corp.

Corp.は「Corporation」の略で「コーポレーション」または単に「コープ」と読みます。

前項で紹介したInc.とほぼ同じ意味です。

アメリカでは最も一般的な表記であり、事業規模に関係なく多くの会社で用いられています。

会社名の英語表記を決める際の注意点

最後に、会社名の英語表記を決める際の注意点を2つ紹介します。

英語に変換するかローマ字表記を使うかを決める

英語表記という言葉は、英語の意味に変換したものだけでなく、使う文字をアルファベットにしたものも含みます。

つまり、使っている単語自体は日本語でも、ローマ字表記であれば英語表記と表現できるイメージです。

そのため、会社の英語表記を決める際は、会社名に含まれる日本語を英語に変換するか、ローマ字表記に変えるだけにするかを考える必要があります。

 

海外と取引をする場合、現地での親しみやすさを考えるのも大切です。

日本語をそのままローマ字に変えただけでは、現地では発音しにくい言葉や、不適切な単語になってしまう恐れがあります。

海外と取引をしている、もしくはこれから取引を始める場合、現地で一般的な表記を使うのが良いでしょう。

 

一方、会社名が造語や人名・地名等に由来する場合は、ローマ字表記に変えるだけの方が適している可能性があります。

無理に現地の単語を使おうとしては、かえって不自然な表記になってしまう可能性があります。

登記している商号を変える場合は手続きが必要

海外展開を進めるにあたって、登記する商号も会社の種類以外を英語表記に変えるケースもあります。

このように登記されている商号を変える場合、社名変更の手続きが必要です。

 

登記している商号を英語表記に変える方法として2つのパターンが挙げられます。

 

  • 定款で英語表記を定めており、会社の種類以外の部分を英語表記と合わせる場合
  • 商号の更正登記のみが必要です。
  • 定款の記載事項を変えるわけではないため、株主総会の決議は必要ありません。
  •  
  • 定款で定めているのが日本語表記のみであり、新たに英語表記を作り、登記する商号も英語表記のものに変えたい場合
  • 株主総会で定款変更の決議を行い、その後法務局で変更登記を行う必要があります。

まとめ

法人登記する商号には会社の種類を漢字で含める必要があるため、商号すべてを英語表記にはできません。登記では日本語表記と英語表記の併記も不可能です。

一方、定款には商号の日本語表記と英語表記の両方を載せられます。

 

英語表記の会社の種類には複数の選択肢があり、それぞれ異なる意味を有します。

各意味を正しく理解し、自社の性質に最も適した種類を選びましょう。

 

これから英語表記を考えるのであれば、商号をどのように変換するか決める必要もあります。

また、登記する商号について会社の種類以外を英語表記に変える場合、更正登記もしくは変更登記が必要です。

 

商号や登記に関するルールをしっかり押さえた上で英語表記を決めましょう。


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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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