創業融資とは創業に際して利用できる融資制度の総称です。
創業・起業・開業時には多額の資金が必要なケースがあり、すべてを自己資金でまかなうのは容易ではありません。
創業融資制度は創業時における資金調達手段として非常に有用な制度です。
そんな創業融資ですが、申請すれば必ず融資を受けられるとは限らず、審査を通過する必要があります。
審査では書類確認のほか面談も実施され、創業融資を受けられるか・有利な条件となるか否かは面談の結果に大きく影響を受けます。そのため、面談対策は非常に重要です。
今回はよくある質問やポイントなど、創業融資の面談で良い結果を出すために押さえたい内容を解説します。
創業融資の必要書類については以下の記事で詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。
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CONTENTS
創業融資の面談でよくある質問と回答のポイント
はじめに、創業融資の面談でよくある質問と、それぞれ回答する上で押さえたいポイントについて解説します。
創業の動機
「なぜ創業しようと思ったのか」「この事業を始めたいと思った理由は何か」といった聞き方をされます。
創業の動機は創業融資の面談で質問される可能性が非常に高いです。
創業の動機に関する質問をする理由として、事業に対する意欲の強さや企業理念の有無を確認する目的が挙げられます。
動機が弱いと思われてしまうと、良い印象にはつながりにくいでしょう。
創業・事業に対する熱意をしっかり伝える必要があります。
また、創業計画書・事業計画書の内容と相違しないよう注意が必要です。
これまでの経歴
事業に役立つ経験や知識があるのか確認する意図で質問されます。
単に経歴を答えるだけでなく、具体的なエピソードや今後の事業でどのように活かすかの展望も答えるのが理想です。
過去に事業経験があるほど、創業融資の審査で有利に働きやすいです。
ただし事業経験がない場合でも、関連する業務や資格、さらには創業に向けたトレーニングなどをアピールできれば評価される可能性があります。
経歴があれば有利とはいえ、嘘をつくのは厳禁です。
嘘の回答は審査へ大きな悪影響を及ぼします。
自己資金を作った方法
自己資金は返済の必要がない確固たる資金源であるため、事業の安定性を判断する重要な材料となります。
そして、単に自己資金の有無や金額に関する質問だけでなく、自己資金を作った方法についても聞かれる可能性が高いです。
自己資金を作った方法は通帳や各種支払明細書などから確認されます。
自己資金を作った方法や資金の出どころに不明点および問題がある場合、より深い質問をされる可能性があります。
自己資金を貯めた方法をしっかり説明できるよう、証拠書類を用意しておくと安心です。
商品やサービスの内容
事業内容の詳細や強み、実現の可能性などを確認する意図で行われる質問です。
なるべく具体的に答えることで審査に良い影響を与えます。
取り扱う商品や実施するサービスについて、最低でも2~3つ程度は具体的に答えられるのが理想です。
なお商品やサービスの内容に関する質問は、主観的な回答にならないよう注意する必要があります。
強みや弱み・実現可能性について、客観的に妥当と思えるような説得力のある回答が大切です。
想定する売上や経費の額など事業の見通し
創業融資の申し込み時に提出する創業計画書には、売上や経費などの収支計画も記載します。
そして面談の際にも、想定する売上や経費の額など事業の見通しに関して質問される可能性が非常に高いです。
この質問は、事業に対する明確なビジョンを持っているか・計算根拠はあるか・無理のない事業計画であるかなどを判断する意図で行われます。
また、将来的な返済能力を判断する上でも重要な内容です。
明確な根拠に基づき、現実的な事業計画を立てる必要があります。
取引先に関する内容
仕入先や販売先を確保できているのか、取引先がどのような会社であるかをチェックする意図で行われます。
売掛金および買掛金のサイクルを考慮した上での資金繰り計画をしているかの判断材料でもあります。
取引先について想定しているだけで確保できていない状態では事業の準備が不十分と判断される恐れがあるため、事前に入念な準備をしておくのが理想です。
なお、取引先の企業に問題がある・非合法な企業である場合、審査に悪影響を及ぼす恐れがあります。
従業員に関する内容
従業員の人数や、正規雇用・非正規雇用といった構成などを質問されます。
従業員に関する質問は、労働力を確保できているかのチェックや、発生し得る人件費の大きさを判断する意図で行われます。
従業員の数や構成も事業計画に大きく関わる部分であるため、十分な計画が必要です。
現在の借り入れ状況
借り入れの有無や金額・毎月の返済額など、借り入れ状況に関する質問をされる可能性も高いです。
現時点における負債が経営に影響を与えるか、借入の内容に問題がないかをチェックする目的で質問されます。
ここで問われる借入とは、住宅ローンをはじめとした高額のローンだけでなく、カードローンやリボ払いなども含まれます。
借入金・ローンの残高が大きい場合や滞納・未納は悪影響を及ぼす恐れがあるため、十分な管理が必要です。
創業融資の面談における注意点
創業融資の面談では質問に対する回答の内容だけでなく、面談における姿勢や態度もチェックされます。
創業融資の面談で高評価を得るために押さえたい注意点を3つ紹介します。
相手に不快感を与えないよう注意する
創業融資の面談で好印象を得るためには、相手に不快感を与えないよう注意が必要です。
面談の担当者に不快感を与えてしまうと、受け答えの内容に関係なく評価が低くなる恐れが大きいです。
一般的な面接において押さえたいポイントとして、面接にふさわしい服装・丁寧な言葉遣い・時間を守るなどの要素が挙げられるでしょう。
創業融資の面談も同様です。
いわゆる面接のマナーはしっかり押さえることが求められます。
好印象を与えるため、マナーを守り、常識的なふるまいをするよう心がけましょう。
質問に対して的確に答える
創業融資の面談では、質問に対して的確に答えることが大切です。
無駄話や話の脱線は審査に悪影響を及ぼす恐れがあります。
質問に対する的確な回答のために押さえたい具体的なポイントとして、以下の3点が挙げられます。
- ・質問に対して結論から伝える
- 遠回しな答え方では何が言いたいのか伝わりにくく、悪印象を与える恐れがあります。
- ・質問の内容に沿った答えをする
- 難しく考えすぎた結果、質問とは的外れな回答をしてしまうケースがあります。
- 常に聞かれたことに対する的確な回答をするよう意識しましょう。
- ・嘘や曖昧な回答はしない
- 嘘や曖昧な回答は面談で大きなマイナスとなります。
- 正直に、そしてハッキリと答えることが大切です。
面談時の姿勢・態度にも注意する
面談で好印象を与えるためには、面談時の姿勢・態度にも注意する必要があります。
面談において、弱気すぎる態度・強気すぎる態度のどちらも良くありません。
特に感情的な受け答えは審査に悪影響の恐れが大きいです。
できるだけ冷静な態度を保ち、落ち着いて受け答えをしましょう。
とはいえ、落ち着きすぎて淡々とした態度でも、好印象につながりにくい恐れがあります。
創業融資の面談では、事業に対する熱意もチェックされます。
冷静な態度で受け答えをしつつも、熱意を込め自信を持った態度でいるのが理想です。
まとめ
創業融資の審査では、面談の様子や回答の内容も判断材料として使われます。
創業融資の審査に通過する・有利な条件で融資を受けるためには、創業融資の面談で良い結果を出すことが大切です。
面談で行われる質問の意図や回答のポイントを押さえれば、面談に向けた効果的な対策を実施できるでしょう。
事前の準備や回答の内容そのものだけでなく、面談当日の態度や姿勢も重要なポイントです。
創業融資の面談のポイントを押さえ、理想的な結果をつかみ取りましょう。
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記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士