創業融資の返済期間の決め方は?最長何年?ポイントと注意点を解説!

2023.05.15

創業融資に限らず、融資は申し込み時に返済期間を設定して定期的に一定額の返済を行います。

一般的に返済期間は融資制度ごとに最長の年数が定められており、最長年数までの範囲内である程度自由に設定できます。

返済期間の長さによって毎月の返済額やトータルの返済額などが変わるため、最適な返済期間の設定が必要です。

今回は創業融資の返済期間の決め方や最長年数、返済期間を決める際の注意点を解説します。

創業融資の概要は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。

CONTENTS

創業融資の返済期間は最長何年?

大前提として、創業融資とは創業時に申し込める融資制度の総称です。

創業融資という名称の制度があるわけではありません。

 

一口に創業融資といっても、種類によって設定されている返済期間は異なります。

今回は創業融資に該当する主な制度4つについて返済期間を紹介します。

新創業融資制度

新創業融資制度は新たに事業を始める人や、事業開始から税務申告2期を終えていない人を対象とした融資制度です。

無担保・無保証人で利用できる点が大きなメリットで、創業直後でも利用しやすい制度といえます。

新たに事業を始める人・税務申告1期を終えていない人が利用する場合、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を用意する必要があります。

 

新創業融資制度は前述した要件を満たす人が、他の融資制度と併用することで利用できる制度です。

そして、返済期間は併用する各融資制度が定める返済期間が適用されます。

新創業融資制度としての独立した返済期間はありません。

新規開業資金

新規開業資金は新たに事業を始める人および事業開始からおおむね7年以内の人を対象とした融資制度です。

前項で紹介した新創業融資制度と併用もできます。

 

新規開業資金の返済期間は、設備資金と運転資金それぞれ以下のように設定されています。

  • 設備資金:20年以内(据置期間2年以内)
  • 運転資金:7年以内(据置期間2年以内)

適用される利率は原則として、日本政策金融公庫が定める基準利率です。

女性、若者/シニア起業家支援資金

女性、若者/シニア起業家支援資金は、以下の要件を満たす人が利用できる融資制度です。

  • ・新たに事業を始める人および事業開始からおおむね7年以内の人である
  • ・女性、35歳未満または55歳以上である

返済期間は以下の通りです。

  • 設備資金:20年以内(据置期間2年以内)
  • 運転資金:7年以内(据置期間2年以内)

適用される利率は要件によって異なりますが、基準利率よりも低い特別利率となります。

 

開業からの年数や返済期間といった条件は、前項で紹介した新規開業資金と同様です。

女性、若者/シニア起業家支援資金は、新規開業資金よりも適用対象が狭く利率が低い融資制度といえます。

制度融資

制度融資は、地方自治体・金融機関・信用保証協会の3者が連携して行っている融資制度です。

融資の申し込み窓口は自治体であり、一般的な金融機関の融資に比べて金利が低めで審査に時間がかかるという特徴があります。

 

制度融資の条件は自治体によって異なり、返済期間も自治体によって大きく異なります。

一例として、東京都中小企業制度による創業融資の融資期間は、運転資金7年・設備資金10年に設定されています。

制度融資の詳細については、事業を行う自治体の案内をご確認ください。

創業融資 返済期間の決め方

融資ごとに設定されている返済期間は、あくまでも設定できる最長の期間です。

最長期間を超えない限り、ある程度申込者の自由に設定ができます。

この章では創業融資の返済期間の決め方について解説します。

返済期間によって何が変わる?

返済期間によって変わるものは、毎月の返済額と利子を含めたトータルの返済額の2つです。

返済期間が長いと毎月の返済額は低くなりますが、利息が発生する期間も長くなるために支払利息の総額が大きくなり、返済総額も膨らんでしまいます。

返済期間が変わることで返済総額がどれほど変わるか、実際の計算例を用いて確認しましょう。

日本政策金融公庫の公式サイトには、返済総額の計算ができるシミュレーション機能が用意されています。(リンクはこちら

この機能を使うことで返済額を計算できるため、返済期間の違いによる返済額の比較も可能です。

今回は以下のシミュレーション条件での返済額を計算しました。

  • ・融資額:100万円
  • ・返済方法:元金均等返済、毎月返済
  • ・金利:2%
  • ・据置期間なし

まずは返済期間5年の場合です。

  • ・返済総額:1,050,834円
  • ・支払利息総額:50,834円

続いて返済期間10年で設定した場合の結果です。

  • ・返済総額:1,100,834円
  • ・支払利息総額:100,834円

このように、返済期間の違いは利息総額、すなわち返済総額に大きな影響を与えます。

無理のない返済計画が大前提

前項で紹介したように、返済期間が長いほど支払利息の総額が高くなり、結果として返済総額も高くなります。

返済期間が短い方がトータルでの返済額が低いのは事実です。

そのために、返済額を抑えることを最優先に考え、返済期間を短く設定しようする人もいます。

 

しかし、返済期間を短くすればその分毎月の返済額は高くなります。

返済に充てる金額が高くなるとその分他に充てられるキャッシュが少なくなり、月々の高額な返済が原因で資金繰りの悪化が起こる恐れがあります。

特に創業直後の事業が安定しない時期は、毎月返済によって一定額の支払いが生じる状況は負担になります。

資金調達のために創業融資を利用したものの、返済が負担になりすぎて事業に支障をきたすのでは本末転倒です。

 

トータルでの返済額も大切ですが、無理のない返済計画に基づいた返済期間の設定が必要です。

将来の追加融資に影響する可能性も

前項では短すぎる返済期間による資金繰り悪化の恐れについて解説しました。

毎月の返済が負担になりすぎることを避けるため、短すぎる返済期間は避ける必要があります。

 

一方で、返済期間が長いほど良いわけでもありません。

借入額に対する返済額が一定以下の場合、追加融資を受けられないケースがあります。

多額の資金が必要となる状況になっても、融資残高が大きいと追加融資の申し込みができず、資金調達ができない場合があるのです。

 

返済期間が長く毎月の返済額が少なければ、毎月しっかり返済していても借入額に対する返済額が一定額を超えるまでに時間がかかります。

将来追加融資を受ける可能性がある場合、創業融資は早い段階である程度の金額の返済ができるような返済期間に設定するのが良いでしょう。

 

創業融資の返済期間は、長すぎ・短すぎどちらにもデメリットがあります。

融資申し込み前の創業計画を入念に作り、自社に合った返済期間を設定することが大切です。

まとめ

創業融資の返済期間は、返済総額と毎月の返済額それぞれに影響を与えます。

返済期間が長い場合、毎月の返済額は少なくなりますが返済総額は大きくなります。

返済期間が短い場合、返済総額は抑えられる一方で毎月の返済額の負担が大きくなります。

これを避けるためには、バランスの良い返済期間を決めることが大切です。

 

ただし、融資の経験がない人が最適な返済期間を設定するのは容易ではありません。

そもそも創業融資の申し込みに必要となる創業計画書を作る負担も大きいでしょう。

はじめて融資を申し込む人や返済期間の設定でお悩みの人は、融資支援に強い専門家のサポートを受けるのが安心です。


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吉岡 伸晃
吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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