創業融資の追加融資は可能?審査のポイントと注意点を解説!

2023.09.27

創業融資とは、創業直後でも利用できる融資制度の総称です。

事業実績がなくても利用できる融資制度であり、創業期の資金調達手段として高い人気があります。

 

追加融資とは、過去に受けた融資の借入残高が残った状態で追加の融資を受けることです。

追加融資の審査では、初回融資とは異なる面まで重点的にチェックされます。

 

本記事では、創業融資を受けた人が追加融資を受けることの可否や、追加融資を受ける際の注意点について解説します。

 

※創業融資制度を設けている機関は複数ありますが、本記事では日本政策金融公庫の制度について解説します。

 

 

創業融資が返済不能になった時の対処法については、以下の記事をご覧ください。

 

CONTENTS

創業融資の追加融資は可能?

創業融資とは、創業直後のタイミングでも利用できる融資制度の総称です。

創業直後という名称の制度ではなく、創業直後の人を対象にした融資制度をまとめて創業融資と呼びます。

 

通常の融資では、返済能力を判断する材料として過去の決算書や確定申告書といった事業実績を用います。

しかし、創業直後には過去の事業実績がありません。当然過去の決算書や確定申告書といった書類の用意も不可能です。

そのため、創業融資では事業実績の代わりに創業計画書等の書類を用いて返済能力を判断します。

創業融資は事業実績がなくても利用できる融資制度であり、創業期の資金調達手段としてよく用いられる方法です。

 

追加融資とは、すでに融資を受けている人や事業者が追加の融資を受けることです。

追加融資は借入残高が残っている状態で融資を受けるケースが該当します。

過去に融資を受けたことがあっても、すでに全額返済を終えている状態であれば基本的には追加融資とは呼びません。

 

創業融資の追加融資とは、創業融資の借入残高が残った状態で新たな融資を受けることを意味します。 

この章では、創業融資の追加融資が可能であるのか解説します。

創業直後の追加融資は難しい

結論として、創業融資の返済期間中に追加融資を申し込むこと自体は可能です。

ただし、創業直後の追加融資は難しいでしょう。

 

追加融資は初回に申し込む創業融資と違い、返済能力を判断する材料として事業実績が必要になります。

事業実績を証明する書類の例として、過去数年分の決算書や確定申告書、納税証明書等が挙げられますが、創業直後のタイミングは事業実績がほとんどないために事業実績を証明できる書類もない状態です。

つまり、創業直後は追加融資の審査に必要な情報が揃っていないために、追加融資を受けられない可能性が高いです。

 

そもそも追加融資が通りやすくなる要素として、融資額のうち3分の1~2分の1以上の返済が終わっている状態が挙げられます。

しかし、創業直後で創業融資を受けたばかりのタイミングでは、借入残高がほとんど残っている状態です。

創業融資の借入残高が多く残っている事実からも、追加融資は難しいと考えられます。

創業融資の追加融資が期待できるケースとは

前項で、創業直後の追加融資は難しい旨を紹介しました。

創業直後は事業実績がなく書類を用意できない上、融資を受けたばかりでは借入残高が多い状態であるためです。

 

しかし、これらの条件に該当しなければ、創業融資の追加融資を受けられる可能性は十分にあります。 

創業融資の追加融資を受けられる可能性が高いケースとして、以下の例が挙げられます。

 

  • 初回融資の借入額のうち3分の1から2分の1以上を返済している
  • 初回融資をある程度返済した状態であれば、追加融資を受けられる可能性が高くなります。
  •  
  • 事業が好調である旨を証明できる実績がある
  • 創業からある程度の年数が経っており、かつ、事業が好調な旨を証明することも大切です。
  • 単に年数が長いだけで財務状況自体は良くない場合、追加融資は難しくなります。
  •  
  • 将来の収益性の伸びについて客観的な根拠に基づいて説明できる
  • 将来的に収益性が伸びると証明できれば追加融資を受けられる可能性が高くなります。
  • 希望的観測ではなく、客観的な根拠に基づく説明が必須です。
  •  
  • 事業拡大や新規事業といった前向きな取り組みを目的とした追加融資である
  • 追加融資の理由がマイナスの場合、事業が上手くいっていないとみなされる恐れがあります。
  • 前向きな理由による追加融資であれば審査の通過率が高くなりやすいです。
  •  
  • 当初の希望融資額を受けられなかった理由が改善している
  • 初回融資において、希望額が通らなかったことには何らかの理由があります。
  • その原因を改善できていれば、追加融資を受けられる可能性が高いと考えられます。

追加融資が難しいケースとは

創業融資の追加融資が難しいケースについて改めて紹介します。

 

  • 初回融資を受けたばかりである
  • 借入残高が多い状態のため、追加融資を受けられる可能性は低いです。
  • また、融資を受けた直後に追加融資を申し込むと、資金繰りが苦しいと判断される恐れもあります。
  •  
  • 創業から1年未満
  • 創業から間もなく事業実績がない状態の場合も、追加融資は難しいでしょう。
  •  
  • 返済遅延をしたことがある
  • 返済遅延の事実があると、返済能力に懸念があると認識されてしまいます。
  •  
  • 事業の安定性や将来性を証明できない
  • 追加融資は基本的に、事業が好調・融資の理由が前向きな場合に受けられます。
  • 安定性や将来性を証明できない場合、事業に懸念があるとみなされてしまいます。
  •  
  • 他社からの借入がある
  • 借入先が多いほど毎月の返済負担が大きくなり返済が滞る懸念があるため、追加融資は難しくなります。

創業融資の追加融資を受けるためのポイント

創業融資の追加融資を受けるために押さえたいポイントを3つ紹介します。

初回融資から時間を空けて申し込む

追加融資は、初回融資から時間を空けて申し込むようにしましょう。

 

これまで紹介したように、初回融資の直後に追加融資を受けるのは難しいといえます。

追加融資はすでに受けている融資の返済がある程度進んでいることが前提のため、借入残高が大きい状態では利用しにくいです。

また、融資を受けた直後に追加融資を申し込んでは、資金繰りが苦しい会社であり返済能力に懸念があると判断される恐れもあります。

 

初回融資を受けてすぐではなく、ある程度の返済が済んでから申し込む方が、追加融資を受けられる可能性が高くなります。

また、事業を1年以上継続した実績があるのも理想です。

いずれにせよ、追加融資は初回融資から時間を空けて申し込む必要があります。

返済遅延を起こさない

追加融資を受けるためには、返済遅延を起こさないことが大前提です。

 

返済遅延を1度でも起こしてしまうと、返済能力がないと判断されて以降の融資が難しくなります。

追加融資だけでなく、完済後に別の融資を申し込む際にも懸念事項と扱われる恐れがあります。

 

将来的に追加融資を受けるか否かに関係なく、返済遅延を起こさないよう注意しましょう。

事業の安定性や将来性を説明する

追加融資を申し込む際、事業の安定性や将来性を説明することも大切です。

 

追加融資を受けられるか否かは、事業の安定性・将来性に大きく左右されます。

事業拡大のように前向きな理由であれば追加融資を受けられる可能性が高くなります。

一方、資金繰りや業績の悪化が原因による追加融資は難しいのが事実です。

現時点で事業が好調だとしても、安定性や将来性を証明できなければ、返済能力に懸念があるという判断につながります。

 

事業の安定性や将来性を説明した上で、追加融資が必要である前向きな理由をアピールしましょう。

まとめ

創業融資の追加融資は、ポイントを押さえれば受けられる可能性が十分にあります。

一方、創業直後・初回融資から時間が経っていない・返済遅延を起こしたことがある等の場合、追加融資は難しいでしょう。

 

追加融資では、初回融資である創業融資とは異なる点を重視されます。

創業融資の追加融資を申し込むのであれば、追加融資ならではのポイントを押さえることが大切です。


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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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