創業融資は申し込めば必ず受けられるわけではなく、審査に通過した場合のみ実施されます。
創業融資の審査は面接の後に行われ、結果は後日通知されます。
結果を待つ間の緊張を和らげるため、そして審査結果が出た後の手続きをスムーズに進めるためには、審査後の流れについて事前に知っておくのが効果的です。
今回は創業融資の審査結果が通知されるまでの流れや、審査後に必要な手続きについて解説します。
創業融資を申請するまでの流れは以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。
CONTENTS
創業融資の審査結果が通知されるまで
はじめに、創業融資の審査結果が通知されるまでの期間や通知方法について紹介します。
審査に要する期間
創業融資の審査に要する期間の目安は2~3週間程度です。
日本政策金融公庫の公式サイトには「ご融資が決まるまでの平均所要日数は2週間程度」と記載されています。
この案内は創業融資だけでなく、日本政策金融公庫の融資全般に対する内容です。
しかし実際のところ、初回融資は審査が長引く傾向です。創業融資は初回審査に該当するケースが多いため、審査に3週間ほどかかるケースも珍しくありません。
また、以下に該当する場合は審査期間が長引くことが多いです。
- 融資の申し込みが多い時期に申し込んだ
- 年末、年度末、会社設立が集中しやすい時期である3月等が挙げられます。
- 提出した書類に不備や漏れがある
- 不足書類を提出するまで審査を進められないため、必然的に審査期間が長くなります。
- 大型連休を挟むタイミング
- 連休中は審査が行われないため、トータルの審査期間が長くなります。
- ビジネスモデルが新しい、複雑
- 類似事例を用いた審査ができないため、通常よりも審査の内容が複雑になり時間がかかります。
- 担保や保証人を条件にしている、現地調査が必要な内容である
- 審査に際して必要な作業が多いため、審査に要する期間も長くなります。
審査結果の通知方法
審査結果の通知方法は、電話と郵送です。
融資が決定した場合、結果の通知書とあわせて申し込みに必要な書類も届きます。
融資が決まった場合の基本的な流れは以下の通りです。
- 1.電話で結果の連絡が来る
- 2.必要な書類が郵送で送られてくる
先に電話で結果を知らされ、その後に必要書類が郵送で届きます。
ただし、担当者の判断によって電話連絡が省略されるケースもあります。いずれの場合も書類での通知は必ず行われます。
面談後2~3週間程度は郵送物を小まめに確認しましょう。
審査に落ちた場合でも、結果の連絡は必ず行われます。
電話と郵送のどちらで通知されるかはケースによって異なります。
創業融資 審査結果が出た後の手続き
審査に通過して創業融資が決まった後も、融資を受けるために必要な手続きがあります。
手続きをせずに放置してしまうと、融資実行までの時間が長くなってしまうためご注意ください。
審査結果が出た後に必要となる作業の多くは書類の用意です。
審査結果の通知書に同封されている契約書類を、添付書類とあわせて返送する必要があります。
この章では創業融資の結果が出た後に必要な手続きについて詳しく解説します。
自分で用意が必要な書類
自分で用意が必要な書類として以下の3点が挙げられます。
収入印紙
創業融資の契約に際して、200円分の収入印紙と約1万円分の収入印紙が必要です。
収入印紙の額は融資額によって以下のように異なります。
- ・100万円超500万円以下:2,000円分
- ・500万円超1,000万円以下:1万円分
- ・1,000万円超5,000万円以下:2万円分
必要な金額は借用証書に記載されているため、必ず確認した上で収入印紙を用意しましょう。
印鑑証明書
郵送で届いた書類に記載されている「融資日」からさかのぼって3ヶ月以内の印鑑証明書が必要です。
借主と保証人それぞれの印鑑証明書を1通ずつ用意します。法人の場合は法人の印鑑証明書も必要となります。
印鑑証明書について以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもご覧ください。
通帳のコピー
融資を送金してもらう通帳のコピーが必要です。以下のページのコピーを用意します。
- ・通帳の表紙
- ・見開き1ページ目
もし事業用口座や法人用口座の開設が済んでいない場合、日本政策金融公庫から届いた書類一式を持参して銀行窓口で口座開設を依頼しましょう。
法人用口座開設の審査は厳しいものの、融資書類があると口座開設がスムーズに進む可能性が高いです。
ただし、即日開設できるわけではないため、審査結果を待たず早めに申し込んでおくことをおすすめします。
日本政策金融公庫から届く契約書類
日本政策金融公庫から届く契約書類に押印や記入をして返送する必要もあります。
必要な書類について詳しく解説します。
借用証書
金銭や物品の借用を証明し、借用条件などを明確にするための証書です。
借主・連帯保証人の署名捺印が必要です。それぞれ本人が署名する必要があり、代筆等はできません。
預金口座振替利用届
口座振替を行うために必要な書類です。
融資額の返済は原則として口座振替で行うため、契約時に口座振替の手続きもする必要があります。
預金口座振替利用届は複写式で、1枚を日本政策金融公庫に提出し、もう1枚は口座振替で利用する金融機関に提出します。
金融機関の確認印が必要なため、記入が完了したら金融機関の窓口へ持ち込みましょう。
同意書
個人情報の利用等について同意する書類です。
署名する日付の記載と、代表者の署名捺印が必要となります。
団体信用生命保険の申し込み用紙
団体信用生命保険とは、日本政策金融公庫から融資を受けた人に万が一の事態が生じた時に残りの返済を肩代わりする生命保険です。
加入は任意のため加入する場合のみ返送します。なお、途中からの加入はできない点に注意が必要です。
必要書類を用意した後の流れ
必要書類を用意したら、日本政策金融公庫の窓口に持参または郵送で提出します。
郵送の場合は配達記録を残すため簡易書留で送るのが安心です。
書類に不備があると融資の実行が遅れるため、提出前に必ず内容を確認しましょう。
書類が日本政策金融公庫に到着してから3~4営業日ほどで融資が実行されます。
創業融資の結果通知に関するよくある質問
最後に、創業融資の結果通知に関するよくある質問2つにお答えします。
なるべく早く結果連絡を受けるためのコツは?
創業融資の審査期間をなるべく短くし、結果の連絡を早くするためのコツは以下の3点です。
- 連休前や融資の申込が多い時期を避ける
- 連休を挟むタイミングや申し込みが多い時期は物理的に審査期間が長くなってしまいます。
- これらの時期は避けるのが理想です。
- 創業計画書の内容を充実させる
- 創業計画書の内容が充実していれば審査がスムーズに進みやすくなり、審査期間の短縮につながることが期待できます。
- 書類の不備や漏れを起こさない
- 書類の不備や漏れがあると修正等が必要になり、大きなタイムロスになってしまいます。
- 書類を完璧な状態で提出するのが理想です。
融資申し込みから融資実行までの期間は?
融資申し込みから融資実行までの期間は、トータルで1ヶ月程度です。
スケジュールの目安を紹介します。
- ・融資の申込から面談の実施までに1週間程度
- ・面談から審査結果の通知までに2~3週間程度
- ・審査結果の通知を受けた後、書類を返送してから融資実行までに4営業日程度
審査に要する期間を短くするには、前項で紹介したコツを押さえることが大切です。
なお、審査結果の通知を受けてから書類を返送するまでの期間は申込者次第です。
必要な手続きを事前に理解しておけば結果が出た後の手続きをスムーズに進めることができ、時間を短くできるでしょう。
まとめ
創業融資の審査結果が出る時期の目安は、面談後2~3週間程度です。
通知は電話および郵送で行われ、郵送は必ず行われます。
郵送前の電話通知が行われるかはケースによって異なるため、郵送物の確認は欠かさないようにしましょう。
審査によって融資が決まった場合、契約書類を添付書類とあわせて送る必要があります。
書類に不備や漏れがあると融資実行までの時間が長くなってしまうためご注意ください。
審査結果が出るまで、および出た後の流れをスムーズにするため、結果通知の方法や必要な手続きについても理解を深めておきましょう。
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記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士