見せ金は絶対NG!創業融資に通る通帳の作り方と自己資金調達方法を解説!

2024.02.28

創業融資の審査で重視される要素の1つとして自己資金が挙げられます。

自己資金の有無や大きさは審査の結果を左右するため、なるべく多くの自己資金を用意するのが理想です。

 

しかし、創業融資を受ける上で見せ金は絶対にしてはいけません。

見せ金とは、多くの自己資金があるように見せる目的で一時的に借り入れたお金です。

見せ金をすれば自己資金が多く見えるようになりますが、見せ金はほぼ確実にバレます。

自己資金として認められないのはもちろん、金融機関をだます目的の行為とみなされ審査でかなりのマイナス評価になります。

見せ金は自己資金を増やす効果がないばかりか、審査に悪影響を与えるだけといえるでしょう。

 

今回は見せ金が審査に与える影響や創業融資に通る通帳の作り方、融資以外で自己資金を調達する方法について解説します。

 

創業融資における自己資金については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

 

通帳確認の際チェックされるポイントについては、以下の記事でも解説しています。

 

 

CONTENTS

創業融資を受ける上で見せ金は厳禁

前提として、創業融資を受ける上で見せ金は厳禁です。

この章では見せ金の概要や、創業融資で見せ金をしてはいけない理由について解説します。

見せ金とは

見せ金とは、多くの自己資金があるように見せる目的で一時的に借り入れたお金のことです。

ノンバンクを含む金融機関だけでなく、親族・友人・知人等からの借入も見せ金に該当します。

自己資金として提示しているお金のうち、実際には返済義務があるお金が見せ金として扱われるイメージです。

見せ金はほぼ確実にバレる

見せ金をするとほぼ確実にバレます。見せ金をするメリットは一切存在しないといっても過言ではありません。

 

創業融資の審査では申込者名義の通帳の確認が行われます。

通帳は定期的な支払いが滞りなく行われているかのほか、書類に記載された自己資金の内容が正しいかのチェックにも使用されます。

 

見せ金は他者からの借入金を自分のお金と偽っているものです。

確かに通帳の残高だけでは自己資金に見えるかもしれませんが、通帳の取引をさかのぼれば不自然な入金であることは明らかです。

入金の理由について嘘の説明をしようとしても筋が通らず、いずれ見せ金とバレるでしょう。

 

見せ金は自己資金として認められないのはもちろん、金融機関をだます目的の行為とみなされ、審査でかなりのマイナス評価になります。

場合によっては詐欺罪に問われる恐れもあります。

見せ金は違法

見せ金そのものを直接禁止する法律はありませんが、以下のように「見せ金は違法」との解釈が可能な法律は存在します。

 

  • 刑法第57条 公正証書原本不実記載等罪
  • 公務員に対して虚偽の申し立てを行い、権利義務に関する公正証書の原本に不実の記録・記載をした者に対して、懲役または罰金を処すと定めた法律です。
  •  
  • 会社法第52条の2
  • 発起人が出資金の払い込みについて仮装をした際に起こる義務や処罰が規定されています。

また、前項で少し触れたように、金融機関をだます目的の行為として詐欺罪が適用される恐れもあります。

自己資金と認められるお金の例

自己資金として認められるのは、給料をもとにした貯金のように自分で貯めたお金だけではありません。

自己資金として扱われるお金として、以下の例が挙げられます。

  •  
  • 本人名義の通帳の預貯金
  • 基本的に本人名義の通帳の預貯金は自己資金となります。
  • ただし、不自然な入金や借入金は自己資金として認められません。
  •  
  • 配偶者名義の通帳の預貯金
  • 配偶者の合意があれば、配偶者名義の通帳の預貯金も自己資金として扱えます。
  •  
  • 贈与
  • 贈与によって取得した財産を自己資金に充てることも可能です。
  •  
  • 出資金
  • 第三者からの出資金は自分で貯めたお金ではありませんが、創業融資の審査において自己資金として扱われます。
  •  
  • 資産を売却してできたお金
  • 有価証券や不動産等、資産の売却によって得たお金です。
  • なお、自己資金として認められるのは現金化した部分のみであり、売却前の段階では自己資金とみなされません。
  •  
  • みなし自己資金
  • 創業融資の申し込みをする前に、事業のために既に支出したお金です。
  • みなし自己資金を審査において自己資金として提示するには、契約書や領収書など支出を証明できる書類が必要になります。

創業融資に通る通帳の作り方

見せ金をせずに正当な方法で用意したお金でも、出所を証明できない場合は自己資金として認められない可能性があります。

この章では創業融資に通る通帳の作り方として、自己資金を証明するために押さえるべきポイントを2つ紹介します。

履歴が明確に残るよう振込にしてもらう

親族や友人・知人から援助を受ける場合や出資を受ける場合、口座に振り込んでもらうようにしましょう。

振込であれば通帳に振込人の名前や実行日が残るため、お金の出所を証明でき、自己資金として認められる可能性が高くなります。

現金で受け取り後日自分で預け入れをした場合、お金の出所を証明できません。そのため、見せ金を疑われ自己資金として認められない場合があります。

内容を証明できる書類を用意しておく

自己資金を用意した方法について、内容を証明できる書類をなるべく多く用意するのが理想です。

 

たとえば親族から現金の贈与を受けたとしても、通帳の情報だけでは贈与なのか借入なのかの判断ができません。

贈与と証明できる書類がなければ、自己資金として認められない可能性が高くなります。

 

このように、取引の内容によっては通帳だけでは詳細の把握ができないため、内容を証明できる書類の提示を求められるケースがあります。

通帳だけでなく、取引内容を証明できる書類をなるべく多く用意しましょう。

創業融資以外の自己資金調達方法

創業資金として多額の資金を調達する方法は創業融資だけではありません。

この章では創業融資の資金調達方法を紹介します。

補助金・助成金

補助金とは、国や自治体の政策実現を目的とする制度で主に経済産業省や地方自治体が管轄です。

採択数や予算が定められており、申請数が上回る場合は審査が行われます。そのため、申請しても必ずしも受給できるわけではありません。

また、申請期間が短く金額は助成金よりも高めといった特徴もあります。

 

助成金とは、事業活動のアシストや事業の安定などを目的とする制度で、主に厚生労働省が管轄です。

基本的に審査は行われず、要件を満たせばほぼ確実に受給できます。

申請期間が長く申し込みしやすいといったメリットもある一方、金額は補助金よりも低めの傾向です。

 

細かな要件を満たす必要があったり、補助金は審査に通過する必要がある等ハードルは存在するものの、上手くいけば返済義務のないお金を受給できます

補助金や助成金は、創業期の資金調達方法として非常に有用です。

 

創業期に利用できる可能性のある補助金や助成金の例を紹介します。

 

  • 事業承継・引継ぎ補助金
  • 事業承継を契機として経営革新等を行う中小企業や小規模事業者の支援を目的とした補助金です。
  • ゼロからの創業には利用できませんが、要件さえ満たし審査に通過すれば高額の補助金を受けられる可能性があります。
  •  
  • 地域中小企業応援ファンド(スタート・アップ応援型)
  • 創業や販路開拓などに取り組む中小企業者等を対象とする助成金制度です。
  • 助成対象になる費用の例として、研究・商品開発や需要の開拓が挙げられます。
  • 細かな要件や金額の上限はファンドによって異なります。
  •  
  • 地域雇用開発助成金
  • 雇用機会が特に不足している地域等での事業所の設置・整備および雇い入れを行う場合に利用できる助成金です。
  • 助成金額は設置設備費用や対象労働者の増加数によって異なります。

出資を受ける

出資金は返済義務がなく、会社のお金として自由に使えます。

前章で紹介したように、創業融資の審査において自己資金として認められるお金でもあります。

 

親族や友人知人以外から出資を受ける選択肢として、エンジェル投資家やベンチャーキャピタルが挙げられます。

エンジェル投資家は起業したばかりで実績が少ない会社に投資をする個人投資家です。

ベンチャーキャピタルは発展の見込みがある企業に対して出資や経営コンサルティングを行う会社を指します。

 

エンジェル投資家・ベンチャーキャピタルともに、自身に合う相手を探すのは容易ではありません。

その上、出資を受けるには事業の将来性をアピールする必要があります。

このように第三者からの出資を受けるのはハードルが高いものの、上手くいけば高額の出資を受けられる可能性が期待できます。

 

エンジェル投資家については以下の記事で詳しく解説しています。

 

まとめ

見せ金は、多くの自己資金があるように見せる目的で一時的に借り入れたお金を意味する言葉です。

創業融資の審査において見せ金は絶対にバレます。

自己資金として認められないのはもちろん、見せ金をした事実が審査でかなりのマイナス評価につながります。

見せ金はリスクが高いだけで、メリットが一切存在しない行為です。

 

自己資金が少なく創業融資に通過する可能性が低いと考えられる場合、創業融資以外の資金調達方法をとりましょう。

自分に合う資金調達方法がわからない・どの方法を選べるか判断できないとお悩みであれば、創業支援に強みを持つ専門家のサポートを受けるのが安心です。


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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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