創業融資の審査で信用情報はチェックされる?確認方法と注意点を解説!

2024.03.29

信用情報とは、クレジットカードや融資等の取引事実に関する情報のことです。

創業融資の審査では、申込者の信用情報がチェックされます。そして、信用情報にキズがあると審査に通過できない可能性が非常に高いです。

 

信用情報が綺麗な状態は、審査が有利になる条件というよりは審査に通るために最低限必要な要素といえます。

そのため、創業融資の申し込みをする前に自身の信用情報を確認し、キズがないかチェックするのが安心です。

 

今回は創業融資の審査において信用情報としてチェックされる内容や、信用情報の確認方法、信用情報に関する注意点を紹介します。

 

以下の記事では自己破産後の創業融資の利用可否を解説していますので、こちらもあわせてご覧ください。

 

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CONTENTS

信用情報は創業融資の審査でチェックされる要素の1つ

信用情報とは、クレジットカードや融資等の取引事実に関する情報です。信用情報は、信用情報機関に登録されています。

日本の信用情報機関は全部で以下の3社です。

  • 株式会社シー・アイ・シー(CIC)
  •  主にクレジットカード会社が加入しています。
  • 全国銀行個人信用情報センター(KSC/全銀協)
  •  主に銀行や信用保証協会が加入する機関です
  •  
  • 株式会社日本信用情報機構(JICC)
  •  主に消費者金融系が加入しています

このうち日本政策金融公庫が連携しており、審査の際に必ずチェックするのはCICです。

ただし、各機関で信用情報を共有しているため、KSCやJICCに登録された情報も確認されます。

 

信用情報にキズがあると、創業融資に限らずあらゆる融資の審査に通過できない恐れが大きいです。

信用情報に登録される情報

信用情報に登録される情報の具体例を紹介します。

 

  • 個人情報
  • 個人を特定するための情報です。
  • 氏名、性別、生年月日、住所、電話番号等が挙げられます。
  •  
  • 申し込み関連
  • 登録された人が行った申し込みに関する情報です。
  • 申し込み日や申し込み商品の種別等が挙げられます。
  •  
  • 契約関連
  • 契約内容に関する情報です。
  • 契約日、契約金額、貸付日、保証額等などが挙げられます。
  •  
  • 返済状況
  • これまでに行った借入や分割払い契約の返済状況に関する情報です。
  • 入金日、入金予定日、完済日、延滞の有無等が登録されています。
  •  
  • 取引事実
  • 債権回収、債務整理、保証履行、破産申し立て等の情報が該当します。

信用情報に登録される情報・登録されない情報

信用情報には、すべての取引の情報が登録されるわけではありません。

 

信用情報に登録される情報として、以下の例が挙げられます。

  • ・奨学金
  • ・クレジットカード
  • ・携帯電話本体の分割払い
  • ・銀行や消費者金融などのローン
  • ・住宅ローンやカーローンなどの目的別ローン

 

滞納や未納に関する情報でも、以下のような取引は信用情報に登録されません。

  • ・各種納税に関する情報
  • ・水道光熱費などの公共料金
  • ・健康保険や年紺保険等の保険料

 

滞納や未納の情報そのものというよりは、借入金や分割払いに関する情報が信用情報に登録されるイメージです。

 

ただし、公共料金や税金の支払いをクレジットカードで行う場合、クレジットカードの取引履歴を通じて信用情報に登録されます。

信用情報のキズとは

信用情報にキズがついた状態を「ブラックリストに載る・登録される」といいます。

ブラックリストに載ってしまう原因として以下の例が挙げられます。

 

  • クレジットカードの支払い遅延、滞納
  • 1回払い・分割払い・リボ払い・キャッシングすべて対象です。
  •  
  •  
  • ローンの返済遅延、滞納
  • 住宅ローンやカーローンのような目的別ローンから消費者金融のカードローンまで、あらゆるローンの遅延および滞納歴がキズとなります。
  •  
  •  
  • 保証会社による代位弁済
  • 代位弁済とは借主に代わり第三者が返済する制度です。
  • 借入金の返済ができず保証会社による代位弁済が行われた場合、その事実が信用情報に登録されます。
  •  
  •  
  • 債務整理の経験
  • 任意整理・個人再生・自己破産など、債務整理の情報もブラックリストに載ってしまう原因です。

ブラックリストに載った状態では、創業融資の審査に通る可能性がかなり低くなってしまいます。

 

なお、代位弁済や債務整理は一度でも実行されるとほぼ確実にブラックリストに載ります。

一方、返済遅延や滞納は必ずしもブラックリストに載るとは限りません。通常、一度の遅延や滞納で信用情報のキズはつかないでしょう。

 

返済遅延や滞納によってブラックリストに載ってしまうケースには、以下の例が挙げられます。

  • ・返済遅延が61日以上にわたる
  • ・返済遅延が3カ月連続で起こる
  • ・督促状が届くまで滞納状態が続いていた

信用情報の確認方法

信用情報にキズがついた状態で創業融資の審査に通過するのは難しいのが事実です。

そのため、創業融資の申し込みをする前に信用情報にキズがついていないか確認するのが良いでしょう。

今回は日本政策金融公庫が連携しているCICの情報を確認する方法を紹介します。

※CICに登録されている情報を本人が確認することを情報開示といいます。

方法① インターネット

インターネットで情報開示をする流れは以下の通りです。

  • 1.自身の利用環境でインターネット開示やクレジットカードまたはキャリア決済が可能か確認する
  • 2.クレジットカード契約で利用した電話番号から指定の電話番号に発信し、受付番号を取得する
  •  キャリア決済の場合はSMSで認証コードを取得する
  • 4.公式サイトから開示専用ページを開き必要情報を入力する
  • 5.利用手数料500円の決済をする
  • 6.パスワードを入力すると開示報告書を確認できる

6の情報開示の後、開示されたことについて確認のメールが送付されます。

方法② 郵送

続いて郵送での情報開示の流れを紹介します。なお、郵送の際は本人確認書類2点が必要な点にご注意ください。

  • 1.CICの公式サイトから信用情報開示申込書をダウンロードする
  • 2.1で印刷した信用情報開示申込書に必要事項を記入する
  • 3.手数料1,500円を用意する。
  •  ※手数料の支払い方法は開示利用券(コンビニチケット)または定額小為替証書の2種類です。
  • 4.信用情報開示申込書、本人確認書類、手数料をあわせて「郵送開示センター」に郵送する
  • 5.書類の送付から約10日後に開示報告書が到着する

創業融資 信用情報に関する注意点

最後に、創業融資の申し込みにおいて押さえておくべき、信用情報に関する注意点を2つ紹介します。

ブラックリストの履歴が消えるまでの時間は内容による

前述のように、ブラックリストに載った状態で審査に通過するのは難しいです。

もしブラックリストに載ってしまっている場合、ブラックリストの履歴が消えるまで待つのが良いでしょう。

 

ブラックリストの履歴が消えるまでの時間は内容によって異なります。

履歴が消えるまでの大まかな目安を信用情報にキズがつく原因ごとに紹介します。

  • 返済遅延や滞納:CICおよびKSCは5年、JISSは1年
  • 任意整理、強制解約、代位弁済:5年
  • 自己破産:JISS5年、CIC7年、KSC10年

信用情報機関によって違いがありますが、おおむね5~10年はブラックリストに載ったままといえるでしょう。

 

ブラックリストを自分で消すことはできません。

ただし、誤情報の場合は本人申告により削除や訂正の申請が可能です。

信用情報にキズがなくても審査に通るとは限らない

信用情報はあくまでも創業融資でチェックされる要素の1つです。

信用情報に問題がないからといって、審査に通過するとは限りません。

信用情報が綺麗な状態は、審査が有利になる条件というよりは審査に通るために最低限必要な要素といえるでしょう。

 

信用情報のキズ以外に審査で不利になる要素として以下の例が挙げられます。

  • ・創業予定の事業に関する経験がない
  • ・自己資金がない、もしくは少ない
  • ・他社からの借入金が多い
  • ・創業計画書や事業計画書の内容に問題がある
  • ・資金使途が不明瞭、整合性がない

まとめ

信用情報は創業融資の審査で必ずチェックされる要素の1つです。

信用情報にキズがある状態、すなわちブラックリストに載った状態では、創業融資を受けるのは難しいといえます。

信用情報のキズの有無が不安な場合、創業融資を申し込む前に信用情報を確認するのが良いでしょう。

ブラックリストの履歴が消えるまでの時間は内容によりますが、5~10年と長い時間がかかる点に注意が必要です。

 

なお、信用情報にキズがなくても審査に通過するとは限りません。

信用情報が綺麗な状態は、審査で有利になる要素というより審査に通過するために最低限満たすべき条件といえます。

 

創業融資の申し込みをする前に、信用情報について理解を深めておきましょう。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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