会社設立したら青色申告の申請をしよう!メリットと手続きの流れについて解説!

2024.01.29

所得税や法人税の確定申告方法には白色申告と青色申告の2種類があり、青色申告には節税につながる有利な特典が複数設けられています。

白色申告よりも会計処理の手間がかかる方法ではありますが、それ以上に節税メリットが大きいため、青色申告を選ぶのがおすすめです。

 

青色申告を行うためには、事前に青色申告の申請を行う必要があります。

青色申告の申請手続きは、会社設立後に必要な各種手続きと一緒に行うと効率的です。

 

今回は青色申告のメリットや申請手続きの流れ、青色申告の注意点について詳しく解説します。

 

会社設立後に必要な手続き全般は以下の記事で解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

 

CONTENTS

会社が青色申告にするメリット

青色申告の大きなメリットは、節税につながる有利な特典が複数設けられている点です。

会社が青色申告にするメリットについて具体的に解説します。

欠損金を最長10年間繰り越せる

会社が青色申告にすると、欠損金を最長10年繰り越せるようになります。

 

欠損金とは、法人税法において損金が益金を上回った部分を指す言葉です。

法人の赤字額を欠損金と呼ぶイメージです。

 

青色申告にすると欠損金を繰り越し、翌年以降の黒字と相殺が可能です。

たとえば、X2年度に100万円の赤字、X3年度に70万円の黒字、X4年度に50万円の黒字となった場合で考えます。

この場合、X2年度の赤字100万円は翌期以降に繰り越されます。

X3年度は70万円の黒字ですが、前期から繰り越した欠損金100万円との相殺が可能です。

X3年度の所得額は0円として扱われ、相殺しきれなかった欠損金はさらに繰り越されます、

そしてX4年度には50万円の黒字と前期に相殺しきれず繰り越した30万円の欠損金を相殺できます。

X4年度の課税対象となる所得額は、50万円-30万円=20万円です。

 

このように前期以前の赤字と以降の黒字を相殺できるため、大きな節税効果を得られます。

請求をすれば欠損金の繰り戻し還付ができる

前期に黒字で法人税の納付をしていて、当期に赤字となった場合、必要な手続きをすれば欠損金の繰り戻し還付を受けられます

 

欠損金の繰り戻し還付とは、各事業年度に欠損金が生じた際に当該欠損金額を前事業年度に繰り戻して、前期に納付した法人税の還付ができる仕組みです。

欠損金の繰り戻し還付を受けるには、以下すべての要件を満たす必要があります。

  • ・還付所得事業年度から欠損事業年度の前事業年度まで連続して青色申告による確定申告書を提出している
  • ・欠損事業年度の青色申告書を期日までに提出している
  • ・欠損事業年度の青色申告書と同時に欠損金の繰り戻しによる還付請求書を提出している

なお、欠損金の繰り戻し還付を受けられるのは、期末の資本金が1億円以下の中小企業のみです。

少額減価償却資産の特例の適用を受けられる

青色申告の会社は、少額減価償却資産の特例の適用を受けられます。

 

少額減価償却資産の特例とは、取得価額が30万円未満の減価償却資産は、取得した年に全額を損金に算入できる制度です。

10万円以上の資産を購入した場合、原則として耐用年数で按分した額のみを費用計上できます。

しかし、少額減価償却資産の特例を使えば、取得した年に計上できる費用の額が増えて利益を抑えられるため、節税につながるのです。

 

なお、少額減価償却資産の特例には以下3つの注意点があります。

  • ・特例の対象は常時使用する従業員の数が500人以下の中小企業者等
  • ・特例の適用を受けられるのは1年につき合計300万円まで
  • ・貸付に利用する目的で取得した資産は対象外

会社設立後 青色申告の申請手続き

会社設立後、青色申告にするために必要な申請手続きについて紹介します。

青色申告申請手続きの流れ

青色申告の適用を受けるには、期日までに青色申告の承認申請書を提出する必要があります。

申請書の提出期日は原則として、青色申告を行おうとする事業年度の開始の日の前日です。

ただし、会社設立1期目から青色申告をする場合、以下いずれかの早い方の前日が期日となります。

  • ・設立から3ヶ月を経過した日
  • ・当該事業年度の終了の日

 

青色申告の承認申請書は本店所在地を管轄する税務署へ提出する必要があります。

法人設立届出書等、会社設立後に税務署へ提出する各種届出と一緒に提出すると効率的です。

 

なお、青色申告の承認申請書を提出する際、特に他の添付書類は必要ありません。

各項目の具体的な書き方

青色申告の承認申請書の各項目について書き方を解説します。

 

  • 日付/宛先
  • 日付は提出日を書きますが、空欄でも問題ありません。
  • 宛先は納税地の所轄の税務署長です。
  •  
  • 納税地
  • 登記事項証明書と同じように本店住所を記入します。
  • 電話番号は会社の代表電話を書きましょう。固定電話がなければ携帯電話の番号を記入します。
  •  
  • 法人名等
  • 法人格を含め正しく書く必要があります。
  •  
  • 法人番号
  • 会社ごとに割り振られた13桁の番号です。「国税庁法人番号公表サイト」で調べられます。
  • 会社設立直後は番号が割り振られていないため空欄で問題ありません。
  •  
  • 代表者氏名/代表者住所
  • 代表者の氏名・住所を書く欄です。
  •  
  • 事業種目/資本金又は出資金額
  • いずれも定款の通りに記入します。
  •  
  • 「~提出したいので申請します。」
  • 青色申告の適用を開始したい事業年度の開始日と末日を書く欄です。
  • 設立1期目の場合、会社設立日と年度の末日(決算日)を書きます。
  •  
  • 「1 次に該当するときには~記載してください。」
  • 設立1期目の場合、上から2番目の項目にチェックマークを入れましょう。
  •  
  • 「2 参考事項」
  • (1) 帳簿組織の状況
  • 帳簿欄に「総勘定元帳」は必須です。青色申告の場合、総勘定元帳は必ず作成することになります。
  • ほかにも、現金出納帳など作成予定の帳簿を書きます。
  •  
  • (2) 特別な記帳方法の採用の有無
  • 会計ソフトを使って記帳する場合、「ロ 電子計算機利用」に丸をつけましょう。
  •  
  • (3) 税理士が関与している場合におけるその関与度合
  • 税理士に依頼する範囲について書きます。
  •  
  • 税理士署名
  • 顧問税理士の署名欄です。

青色申告の注意点

最後に、青色申告の注意点を2つ紹介します。

会計処理の手間が大きくなる

青色申告の適用を受けるためには、正規の簿記の原則に基づく記帳を行う必要があります。

正規の簿記の原則とは「すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない」とする原則です。

簡単にいうと、貸借対照表や損益計算書を作成できるような複式簿記による記帳が必要というイメージです。

 

複式簿記は単式簿記に比べて手間がかかるため、会計処理の負担は大きくなります。

会計処理の労力が大きい点は、白色申告と比較したデメリットといえるでしょう。

 

ただし、白色申告であっても帳簿付けや決算書の作成が必要な点は同じです。

また、会計処理の労力が大きいというデメリットよりも、節税効果を得られるというメリットの方が大きいといえます。

悪質な行為により青色申告が取り消されるケースもある

青色申告は一度申請すれば永年有効なわけではありません。悪質な行為がみられると判断された場合、青色申告が取り消されるケースがあります。

 

青色申告の取り消しにつながる悪質な行為の例を紹介します。

  • ・所得の隠ぺいや仮装をした
  • ・取引の一部を記載しない、隠ぺいする等の悪質な帳簿作成を行った
  • ・税務調査で帳簿書類の提出指示に応じない
  • ・2事業年度連続で確定申告をしない

脱税とみなされる行為が該当するイメージです。一度青色申告が取り消されると1年間は再申請ができません。

 

青色申告の取り消しにつながる行為は絶対に避け、企業会計原則に基づいた公正な会計処理を行いましょう。

まとめ

青色申告者は節税につながる様々な特例の適用を受けられます。

法人が青色申告をするためには、期日までに「青色申告の承認申請書」を提出する必要があります。

法人設立届出書等、他の書類と合わせて作成・提出すると効率的です。

 

青色申告の承認申請書には様々な項目があり一見複雑に感じるかもしれませんが、書くべき内容は非常にシンプルです。

今回紹介した内容を押さえ、会社設立後の青色申告の申請手続きをスムーズに進めましょう。


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吉岡 伸晃
吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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