連帯保証なしで融資を受けられる?経営者保証免除特例制度について解説!

2024.01.16

経営者保証免除特例制度とは、申込人である法人代表者が一定の要件を満たす場合に法人代表者の連帯保証を不要とする日本政策金融公庫の制度です。

 

制度自体は以前から存在していましたが、経営者保証ガイドラインの開始から数年経った2018年に適用要件が緩和され、対象者が広まりました。

現在は経営者保証免除特例制度の対象になる範囲が広く、連帯保証なしで融資を受けられるケースが多くみられます。

 

今回は経営者保証免除特例制度について詳しく解説します。

 

保証人や連帯保証人については以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

 

CONTENTS

経営者保証免除特例制度とは

はじめに、経営者保証免除特例制度の基本事項を紹介します。

経営者保証免除特例制度の概要

経営者保証免除特例制度とは、申込人である法人代表者が一定の要件を満たす場合、法人代表者の連帯保証を不要とする制度です。

日本政策金融公庫の国民生活事業で設けられています。

 

同制度は以前から存在していましたが、2018年春に適用要件が緩和され、対象となる人の範囲が広まりました。

以前に比べて同制度の適用を受けられる法人代表者が増えたため、近年は代表者の連帯保証なく融資を受けられるケースも多くみられます。

そもそも|法人代表者の連帯保証とは

連帯保証制度は、会社に万が一のことがあり融資の返済ができなくなった場合、連帯保証人である代表者が代わりに融資の返済を行う制度です。

かつては金融機関から中小企業が融資を受ける場合、経営者保証が前提となっていました。

日本政策金融公庫でも同様に、原則として代表者が連帯保証人となる仕組みが設けられていたのです。

 

しかし、法人代表者が連帯保証人となる仕組みは代表者の負担が非常に大きいと問題視されていました。

そして平成26年2月1日に「経営者保証ガイドライン」の適用が開始されます。

当ガイドラインの伴い、経営者の個人保証を不要とする動きが活発化しました。

 

近年は経営者が連帯保証人として登録しなくても融資制度を利用できるケースが増えています。

経営者保証免除特例制度の対象者

同制度の対象となるのは、以下1~3いずれかの条件を満たす者です。

  • 1.次の要件をすべて満たす
  • ・法人と代表者の一体性の解消がある程度図られていることを日本政策金融公庫側で確認できる
  • ・税務申告を2期以上実施している
  • ・普通貸付または生活衛生貸付の借入がある場合、該当の貸付について返済遅延がない
  • ・減価償却前の経常利益が直近2期連続赤字ではない
  • ・直近の決算において債務超過の状態ではない
  •  
  • 2.取引金融機関において代表者保証の免除に関する協調対応が見込める、もしくは代表者保証の免除を受けた借入残高がある
  •  
  • 3.以下のいずれかを適用した上で融資を受ける
  •  ・事業承継・集約・活性化支援資金
  •  ・生活衛生事業承継・集約・活性化支援資金

経営者保証免除特例制度の注意点

経営者保証免除特例制度の注意点として、同制度の適用を受けた融資は利率が0.2%上乗せされる点が挙げられます。

連帯保証が不要となる代わりに、金利の負担はやや重くなる仕組みです。

 

ただし、以下のいずれかに該当する場合は利率の上乗せがされません。

  • ・「事業承継・集約・活性化支援資金」または「生活衛生事業承継・集約・活性化支援資金」を適用して融資を受ける
  • ・十分な物的担保を提供する

【参考】要件緩和前の適用要件

2018年春に適用要件が緩和されるまでは、経営者保証免除特例制度は以下全ての要件を満たす者のみが対象でした。

  • ・税務申告を2期以上実施している
  • ・事業資金の融資取引が1年以上あり、直近の1年間で返済遅延がない
  • ・減価償却前の経常利益が直近2期で連続赤字ではない
  • ・直近の決算で債務超過の状態ではない
  • ・法人から代表者への貸付金や仮払金がない

このように要件が非常に厳しく設定されていたため、ほとんどの場合は融資を受けるために経営者の連帯保証が必要であったのです。

保証人に依存しない融資の例

これまで紹介したように、日本政策金融公庫の融資制度は代表者保証がつくのが一般的です。

要件を満たした場合のみ経営者保証免除特例制度の適用を受けて代表者保証をなくせます。

 

一方、一部の制度は前提として保証人や担保の設定が必要ありません。

保証人がつかない前提の融資制度にはそもそも経営者保証免除特例制度の概念もないといえます。

 

この章では保証人に依存しない融資制度の例を紹介します。

新創業融資制度

新創業融資制度は、新たに事業を始める人や事業開始から間もない人が利用できる融資制度です。

以下の2つの要件を満たす人を対象とします。

  • ・新たに事業を始める者、もしくは事業開始後税務申告2期を終えていない者
  • ・新たに事業を始める者および事業開始後税務申告1期を終えていない者の場合、創業時点において創業資金総額の10分の1以上の自己資金を確認できる

令和5年12月1日現在における利率は、2.40~3.60%です。

 

創業融資は他の融資制度との併用が前提となっています。返済期間は併用する融資制度が定める期間と同じものが適用されます。

融資限度額は3,000万円、うち運転資金が1,500万円です。

挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)

挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)は、次の2つの要件を満たす事業者を対象とした融資制度です。

  • 1.以下5つのうちいずれかの融資制度の対象となる者
  •  ・新規開業資金
  •  ・新事業活動促進資金
  •  ・海外展開・事業再編資金
  •  ・事業承継・集約・活性化支援資金
  •  ・企業再建資金
  •  
  • 2.次の2つの要件を両方とも満たす者
  •  ・地域経済活性化にかかる事業を行う
  •  ・税務申告を1期以上行っている場合、原則として所得税や法人税等を完納している
  •  

挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)の特徴として、同制度による融資額は、金融機関の審査査定において自己資本とみなせる点が挙げられます。

利用の際には事業計画書の提出が必要です。また、完済まで四半期ごとの経営状況の報告等を含む特約を結ぶ必要があります。

 

挑戦支援資本強化特別貸付(資本性ローン)の融資限度額は7,200万円、返済期間は5年1ヶ月以上20年以内です。

適用される利率は、返済期間および税引後当期純利益額によって異なります。

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)は、商工会議所や商工会などの経営指導を受けている小規模事業者が利用できる融資制度です。

以下2つの要件を満たす者が対象となります。

  • ・商工会、商工会議所又は都道府県商工会連合会の実施する経営指導を受けている小規模事業者である(商工業者に限る)
  • ・商工会、商工会議所等の長の推薦を受けている

 

2023年12月1日時点における利率は1.20%です。

 

マル経融資(小規模事業者経営改善資金)の融資限度額は2,000万円に設定されています。

返済期間は運転資金が7年以内、設備資金が10年以内です。なお運転資金は1年以内、設備資金は2年以内の据置期間を設定できます。

まとめ

経営者保証免除特例制度は、法人代表者が一定の要件を満たす場合に利用できる、経営者の連帯保証を不要とする制度です。

制度自体は以前から存在していましたが、2018年春に行われた適用要件の緩和によって対象者の範囲が広がりました。

 

公庫の融資は経営者の連帯保証が前提ではありますが、非常にリスクの高い仕組みです。

経営者保証免除特例制度を使えば、経営者にかかる負担を抑えながらも融資制度を利用できます。

また、そもそも連帯保証が不要な融資制度も存在します。

経営者が負うリスクを抑えた上で融資を受けるには、経営者保証免除特例制度の活用や、連帯保証の必要がない融資制度を選ぶのがおすすめです。


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吉岡 伸晃
吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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