経営者必見!社長個人がやるべきおすすめ節税対策5選!

2023.12.21

会社の事業によって得た利益は、所得税ではなく法人税の対象です。

そのため、会社の経営者は事業にかかる税金を抑えるために法人税の節税対策を優先するケースも多いでしょう。

しかし当然ですが、社長個人の所得に対しては所得税が課されます。

ちょっとしたコツを押さえて工夫するだけで所得税の額が変わるケースもあるため、社長個人も節税対策をするべきといえるでしょう。

 

今回は社長個人がやるべき節税対策として、おすすめのものを5つ紹介します。

 

法人の節税対策は以下の記事で詳しく解説していますので、ぜひこちらもご覧ください。

 

 

CONTENTS

社長個人におすすめの節税対策

社長個人におすすめの節税対策を詳しく紹介します。

所得控除を漏れなく活用する

所得税の節税対策で最も基本といえるのが、所得控除の活用です。

所得控除は納税者の個人的事情を加味して税額を計算する目的で定められており、所得から差し引くことができます。

所得税の計算に用いる課税対象所得とは、所得控除を差し引いた後の金額です。

 

所得控除には全部で以下の15種類があります。

  • 基礎控除
  • 合計所得金額が2,500万円以下のすべての納税者に適用される所得控除です。
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  • 扶養控除
  • 同一生計に扶養親族がいる場合、一定の所得控除が受けられます。
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  • 配偶者控除
  • 配偶者の所得が48万円以下の場合に適用されます。
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  • 配偶者特別控除
  • 配偶者の所得が48万円以上133万円以下であり、かつ、納税者の所得が1,000万円以下の場合に適用される控除制度です。
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  • 社会保険料控除
  • 納税者および同一生計の配偶者・親族の社会保険料が控除される仕組みです。
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  • 生命保険料控除
  • 生命保険・介護保険・個人年金保険の掛金のうち一定金額が控除されます。
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  • 地震保険料控除
  • 地震保険の掛金のうち一定金額が控除されます。
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  • 小規模企業共済等掛金控除
  • 小規模企業共済や確定拠出年金などの掛金全額が控除される制度です。
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  • 障害者控除
  • 納税者本人、同一生計の配偶者・親族が障害者である場合に適用されます。
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  • 寡婦控除
  • 納税者本人が寡婦・寡夫の場合に適用される控除制度です。
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  • ひとり親控除
  • 納税者がひとり親の場合に適用される控除です。
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  • 勤労学生控除
  • 納税者が通学しながら働いている学生に適用されます。
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  • 寄附金控除
  • ふるさと納税をはじめとした特定寄付金がある場合に適用される控除です。
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  • 医療費控除
  • 納税者および同一生計の配偶者・親族の医療費の一定額が控除される制度です。
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  • 雑損控除
  • 災害や盗難などによって損害を受けた時に適用されます。

原則として、所得控除は適用対象だからといって自動的に反映されるわけではありません。

年末調整や確定申告の際に申告・手続きをしなければ控除が適用されず、税額が高くなってしまう原因となります。

支払う所得税の額を最小限に抑えるため、適用対象となる所得控除を漏れなく活用しましょう。

 

なお、所得控除の中には年末調整で処理できるものが多いですが、医療費控除や寄付金控除のように確定申告が必要なものもあります。

自身の所得が会社からの役員報酬だけであれば年末調整のみで処理できますが、所得控除の内容によっては確定申告が必要です。

 

どの所得控除を受けられるかわからない、適用対象に当てはまるか判断できないとお悩みの場合、専門家である税理士へご相談ください。

役員報酬を高くしすぎない

役員報酬を高く設定しすぎないことも大切です。

 

所得税は、所得が一定を超えた部分により高い税率が課される超過累進課税です。

そのため、役員報酬が高額だと社長個人が負担する所得税が高くなりすぎる恐れがあります。

 

ただし、役員報酬を低くしすぎた結果生活に支障が出てしまうケースもあるため、バランスに注意が必要です。

役員報酬を抑えつつも収入額を保つテクニックとして、以下の2つが挙げられます。

  • 社長個人の役員報酬を減額し、社長の配偶者や家族を役員にして役員報酬を支払う
  • 一人ひとりにかかる所得税を抑えながらも世帯収入を保てる方法です。
  • たとえば以下の場合、世帯収入は同額ですが所得税はBの方が安くなります。
  • A.社長の役員報酬が1,000万円
  • B.社長の役員報酬が700万円、社長の妻の役員報酬が300万円
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  • 退職金に充てる
  • 退職所得は給与所得よりも控除額が大きくなりやすいです。
  • そのため、役員報酬は少し低めに設定し、その分を退職金に充てる方法も節税につながります。
  •  
役員報酬の決め方と注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

役員社宅制度を活用する

社宅とは、社宅制度住宅用の賃貸物件を法人契約し、その物件に役員や従業員を住まわせる制度です。

 

具体的には、法人が契約者となって家賃の支払いを行い、社宅に住む役員や従業員の給与から賃料の一部を徴収します。

賃料の一部の支払いは発生するものの、役員や従業員の家賃負担は少なくなります。

 

社長の自宅を社宅にすれば、社長個人が支払う家賃の金額は下がります。

賃料の負担が小さくなれば、その分収入が下がっても問題ないといえるでしょう。

つまり、以下のステップによって役員報酬を減額して給与所得を低くすれば、節税につながるのです。

  • 1.社長の自宅を社宅にする
  • 2.賃料の一部として社長から徴収する額を決める
  • 3.元々社長が支払っていた家賃と、賃料の一部として徴収する額の差額を計算する
  • 4.3で出した差額分、役員報酬を減らす

また、社宅制度の導入によって法人が支払う経費が増えるため、法人税の節税効果も得られます。

 

社宅制度については、以下の記事で詳しく解説しています。

 

通勤手当や出張日当を支給する

通勤手当や出張日当は、所得税の課税対象になりません

そのため、所得税の負担なく収入をアップできます。

社長を含む役員も支給対象になる上に、法人にとっては経費が増えるため、法人税の節税対策としても効果的です。

 

ただし、通勤手当および出張日当については、事前に社内規程を作成する必要があります。

小規模企業共済に加入する

小規模企業共済とは、小規模な会社の経営者や役員、および個人事業主を対象とした共済制度です。

毎月掛金を積み立てていき、廃業や退職時に共済金を受け取ります。

共済金を受け取るタイミングから、役員や個人事業主向けの積立型退職金とも表現されます。

 

小規模企業共済の掛金は毎月1,000円から70,000円の範囲で、500円単位で自由に設定可能です。

そして、掛金は全額所得控除の対象になるため大きな節税効果を得られます。

 

所得税の節税以外にも、以下のように大きなメリットがあります。

  • ・退職金の確保ができる
  • ・共済金の受け取りに年齢制限がない
  • ・契約者は低金利の貸付制度を利用できる
  •  
小規模企業共済については、以下の記事で詳しく解説しています。
 

社長個人が節税対策をする際の注意点

社長個人が節税対策をする際の注意点として、以下の3つが挙げられます。

節税を優先し過ぎず、本業に集中する

節税に集中するあまり事業活動がおろそかになってしまえば、売上が下がり本末転倒となってしまう恐れがあります

節税も大切ですが、最優先事項は本業であることを忘れないようにしましょう。

脱税に該当する行為は厳禁

所得税に限らず、脱税は絶対にしてはいけません。

節税行為のつもりでも、度が過ぎるものは脱税とみなされてしまう恐れがあるため注意が必要です。

最新情報を確認する

税金に関する法律や制度は変わる可能性があります。

「変わったことを知らなかった」は通用しないため、必ず最新情報を確認しましょう。

節税対策を行う際も、事前に「現行制度で効果的な節税対策であるか、実施できるテクニックか」の確認が必須です。

まとめ

節税対策と聞くと、経営している法人の節税をイメージするかもしれません。

もちろん法人税の節税対策も大切ですが、社長個人にかかる所得税の節税も重要です。

ちょっとした工夫やポイントを押さえた対策によって、税額が大きく変わるケースは多く存在します。

今回紹介した節税テクニックを実施し、社長個人の所得税も抑えましょう。

 

「どのような節税対策をするべきかわからない」「本当に税金が安くなるの?」

節税対策について疑問や悩みをお持ちであれば、専門家である税理士へご相談ください。

個々の状況や希望に合わせた、効果的な節税対策のアドバイスやサポートが可能です。


法人・個人事業主の節税対策は
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全国オンライン対応・ご相談は無料です。

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吉岡 伸晃

記事監修
BIZARQ合同会社代表公認会計士

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